NTTドコモが5月11日、ソニー製スマートフォン3機種を6月上旬から順次発売することを発表しました。これにより、ドコモの2022年夏モデルが出そろいました。
ドコモの夏モデルといえば、5月9日に発表された「AQUOS R7 SH-52C」が同社のAndroidスマホとしては初となる「デュアルSIM」「eSIM」に対応する機種であることが一部で話題になりました。
今回発表されたソニー製スマートフォン3機種は、果たしてこれらに対応しているのでしょうか……?
早速、今回発表された3機種のニュースリリースに添付されたスペック表を見てみます。すると、ハイエンドモデルの「Xperia 1 IV SO-51C」のみnanoSIMカードとeSIMによるデュアルSIMに対応していることが分かります。
ドコモが発表したソニー製スマートフォン3機種は、au/UQ mobile(KDDIと沖縄セルラー電話)とソフトバンク/Y!mobileでも取り扱いが決まっています。
これらのキャリアにおける各機種のスペック表を見てみると、何とXperia 10 IVやXperia Ace IIIもnanoSIMとeSIMによるデュアルSIMに対応しています。
結局、ドコモにおいてnanoSIMとeSIMによるデュアルSIMに対応する2022年夏モデルは、ハイエンドモデルのAQUOS R7 SH-52CとXperia 1 IV SO-51Cの2機種だけでした。スタンダードモデル(エントリー/ミドルレンジモデル)では一切対応していません。
一方で、au/UQ mobileやソフトバンク/Y!mobileはスタンダードモデルでもnanoSIMとeSIMによるデュアルSIMに“しっかりと”対応しています。ドコモはなぜeSIMやデュアルSIMを“排除”してしまったのでしょうか。以下の理由が考えられます。
「コスト」の面ですが、携帯電話端末の発売前試験には想像以上の手間が掛かります。手間が掛かるということは、その分費用も必要です。少しでも端末価格を抑えたいスタンダードモデルでは試験の手間を省く、つまりeSIMやデュアルSIMに対応しない方が得策ともいえるのです。
見方を変えれば、高価格帯のハイエンドモデルではeSIMやデュアルSIMに対応するためのコストを転嫁しやすい面もあります。端末価格に上乗せされたとしても、その分のメリットを“理解できる”“生かせる”ユーザーが多いともいえます。
とはいえ、Xperia 1 IVは20万円近くするんですよね……。まさか「Galaxy S22 Ultra」よりも高価になるとは思いませんでしたよ……。
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