なぜアップデートを提供するのか? その狙いをITプロダクツ本部の一之瀬春人本部長が語った。
もともとBALMUDA PhoneはバルミューダのIT機器やそれに関するサービスを扱う新ブランド「BALMUDA Technologies」の第1弾製品として2021年11月26日に発売された。
4.9型フルHD(1080×1920ピクセル)液晶ディスプレイや、約4800万画素の単眼構成であるアウトカメラ、おサイフケータイなどの機能を搭載し、5G通信やワイヤレス充電、生活防水(IPX4)などに対応している。大きさは軽量かつコンパクトで、大きさ69(幅)×123(高さ)×13.7(厚み)mm、重量138gだ。石をモチーフにした丸みを帯びたデザインで、手になじみやすいのが大きな特徴となっている。
BALMUDA Phoneの発売後、バルミューダ(寺尾玄社長)が消費者に何度も訴えかけていることがある。それは“体験価値”だ。
一之瀬氏も、体験価値をどこまで高められるか――それを重要視していると強調する。カタログやスペック表では数値化できないこと、つまり実体験でその価値が分かってもらえるようにしたいというのが、バルミューダの考えだ。「社用携帯にもBALMUDA Phoneを採用しており、われわれ自身がユーザーでもあるので、これからも単なる話題作りではなく、自分達で発見した驚きをユーザーに提供したいと考えている」(一之瀬氏)
バルミューダがBALMUDA Phoneのソフトウェアバージョン2を提供するのも体験価値の向上が目的であり、ソフトウェアによって購入後でも体験価値を向上できるのがBALMUDA Phoneの良さでもあるという。「家電とは異なりスマートフォンなら、ソフトウェアをアップデートでき、それによって体験価値を向上できる」(一之瀬氏)
実は2022年3月に一般公開した「BALMUDA Scheduler」も、体験価値の向上に向けた取り組みの1つだという。バルミューダがBALMUDA Phone以外のユーザーの意見や感想を聞けることに意義があると考えているようだ。Google Playではいい反応もあれば、悪い反応もあり、その中にはバルミューダだけでは気付けなかった視点もあり、アップデートにつながるという。
ソフトウェアバージョン2ということは、もし新モデルが登場したとしても、BALMUDA Phoneのソフトウェアアップデートを提供し続けるのか? そんな質問に一之瀬氏は「それはいまの時点ではお約束できない」と述べるにとどめたが、「体験価値の向上に向けて何かできることがないかを常に模索している」とした。
なお、今夏にはAndroid 12 へのOSアップデートも実施予定なので、それにあわせたアプリやUIのアップデートに期待したいところだ。
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