マイそくの特徴として、速度制限時の通信速度が「32kbps」と極端に絞られていることが挙げられる。この速度制限は先述のように、「月曜日〜金曜日の12時〜13時」と「3日で10GBのデータ利用を行った翌日」という2つの条件で適用される。
32kbpsとは、大手キャリアの制限速度の約4分の1。かつての「ダイヤルアップ接続」のような速度だ。果たして実用に足る速度なのか。
実際に使ってみた感触としては、やはり厳しい。ほとんどのデータ通信は使えないと考えていいだろう。例えば、テキスト主体のニュースサイトを開きたい場合でも、Webサイトの基本的な要素が読み込めないため、ブラウザ上では「ネットワーク無し」の表示になることがある。
LINEのようなメッセージアプリの場合、文字だけのメッセージなら送れるし届くが、添付されている写真やスタンプを表示するのは難しいだろう。「LaLa Call」やLINE通話のようなIP電話も、安定した通話は難しい。
なお、デュアルタイプのSIMの場合、音声通話は速度制限の影響を受けない。通常通りの発着信が可能となっている。お昼の時間帯はデータ通信をほぼ使えないが、電話の着信を逃すことはない。
マイそくには「24時間使い放題」というオプションが用意されており、1回330円を追加支払いで、高速通信が24時間利用できる。通信速度は通常プランの「マイピタ」と同等としている。
MVNOというサービスの性質上、昼休みのような利用が多い時間帯は通信速度が遅くなる傾向はあるが、夕方には実測値で100Mbpsという十分なスピードでの通信が可能だった。この24時間データ使い放題を有効にすると、平日12時〜13時や、3日で10GB利用時の32kbps速度制限が適用されている場合でも、高速な通信が可能となる。普段は昼休み帯に使わないが、国内旅行時に高速な通信が必要になった場合などに重宝するだろう。
一方で、マイそくでは「1GBあたり550円」といった形で追加のデータ容量を購入することはできない。マイネ王やmineoアプリの特典として追加データを得ることはできるが、マイそく契約中は利用できない点は注意が必要だ。
「マイそく スタンダード」は、1.5Mbpsという低速で使い放題というプランだが、実際には完全な使い放題ではなく、「平日12時〜13時は超低速」という制約があるのは上述の通り。また、「3日で10GB通信すると翌日は超低速」となるため、低速通信をだらだらと流し続けるような使い方はあまり適していない。加えて、パケットタンクやマイネ王のボーナスパケットは、マイそくでは利用対象外となっているため、“mineoらしいギガ活”にも不自由するという点も、マイそくのデメリットといえる。
一方で、mineoの基本プラン「マイピタ」では、「パケット放題 Plus」というオプションが提供されている。これは、基本プランの月額料金プラス385円(10GB以上のプランは無料)のオプション料金で、「低速時は1.5Mbpsで使い放題になる」というオプションだ。
マイピタの最低容量プラン(1GB)とパケット放題 Plusの組み合わせでも、マイそくの“1.5Mbpsで使い放題”とほぼ同様の体験が可能となる。この組み合わせの場合、マイピタ側がデータプランなら月額1265円(基本料金880円+オプション料金385円)、音声通話プランなら月額1683円(月額料金1298円+オプション料金385円)で利用できることになる。マイピタ+オプションという組み合わせなら、月曜日〜金曜日の厳しい速度制限は適用されない上、マイネ王などのボーナスパケットも活用できる。マイそくよりも月額料金は上乗せされる場合があるものの、高速通信の快適さはマイピタの方が上回るだろう。
【訂正:2022年6月20日22時00分 初出時、「マイピタよりも月額料金は上乗せされる」としていましたが、正しくは「マイそくよりも月額料金は上乗せされる」です。おわびして訂正いたします。】
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