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さあ、スマホのクレカで船に乗るぞ!――できるかぎりスマホのタッチ決済だけで「船」と「電車」に乗る旅に出た(後編)2022年大型連休の思い出(4/5 ページ)

» 2022年06月22日 11時00分 公開
[井上翔ITmedia]

南海電鉄への乗り継ぎは“同じカード”で!

 乗船から約2時間でフェリーは和歌山港に到着します。自動車やバスを預けていない場合は、徒歩用の出口からそのまま下船できます。

 通常の乗船券で乗船した場合、乗船券は係員に回収されます。Visaのタッチ決済で乗船した場合、あるいは「好きっぷ」(割引乗船/乗車券)で南海電鉄線に乗り継ぐ場合は係員にその旨を伝えて下さい。

 和歌山港の下船口/乗船口は、乗船券売り場(南海フェリーの和歌山営業所)や南海電鉄の和歌山港駅のある建物と連絡通路(陸橋)を介して直結しています。連絡通路は3〜4分ほど歩く程度には長めで、「動く歩道」もあります。

下船準備 乗船券売り場や和歌山港駅につながる連絡通路と直結する可動橋を固定する準備を進める係員の皆さん
すごく……長いです 連絡通路は少し長めで、途中には「動く歩道」も用意されています

 連絡通路を渡りきると、和歌山港駅に着きます。南海フェリーでVisaのタッチ決済による乗船の実証実験が始まるタイミングで、和歌山港駅もVisaのタッチ決済による電車乗降の実証実験対象に加わりました。

 和歌山市駅からVisaのタッチ決済で電車に乗る場合は、専用の自動改札機(ゲート)を通る必要があります。通常の改札機とは色も異なり、通路にもステッカーが掲示されているので間違えることはなさそうです。

 なお、南海フェリーからの乗り継ぎでスマート好きっぷを適用する場合は、徳島港で利用したものと同じカードをかざす必要があります。Google Pay(またはApple Pay)でVisaのタッチ決済を使う場合、スマホに設定されたカード番号は元のカードと異なるので(※2)、元のカードではなく同じスマホをかざして下さい

(※2)カードのセキュリティを高める観点から、Google PayやApple Payのタッチ決済では元のカードとは異なるカード番号が割り当てられます(参考記事

専用ゲート 和歌山港駅では、Visaのタッチ決済(とQRコード乗車券)の専用ゲートを設けています。Visaのタッチ決済で乗車する場合は、このゲートを通ります
同じカード スマート好きっぷを適用する場合、南海フェリーに乗船した時と同じカードで乗車する必要があります。Google Pay(やApple Pay)を使った場合は、同じスマホをかざしてください

 徳島港発の南海フェリーは、第1便(多客期のみ運航)と第9便(最終便)を除いて南海電鉄和歌山港線と連絡しています。私が乗船したのは第6便だったので、和歌山港発和歌山市行きの普通電車に乗り継げます。さらに、和歌山市駅では難波行き(※3)の特急サザン号とも接続しています。

(※3)南海電鉄の「難波駅」は漢字が正式名称です。乗車券では正式名称通りに漢字表記されますが、車両や駅の行き先表示では「なんば」とひらがなで案内されます

 今回は素直に普通電車とサザンを乗り継いで難波駅に向かいます。サザンは乗車券だけで乗れる自由席車両と、有料の座席指定券が必要な指定席車両があります。座席指定券はチケットレスサービスを使えばスマホからも買えるのですが、当時はそのことをすっかり忘れていて駅で購入することにしました。

 ところが、和歌山市駅の構内に設置してある券売機は現金か交通系ICカードでの購入しか対応していません。ICカードリーダーの都合でモバイルSuicaも使えません。

 和歌山市駅をいったん出て改札外の券売機を使えば、クレジットカードを使って座席指定券を買えます。しかし、そうするとスマート好きっぷの“おトクさ”が薄れてしまいます。仕方ないので、ここでも現金で座席指定券を買うことにしました。

和歌山港駅 南海電鉄和歌山港線は、和歌山市駅と和歌山港駅の1駅“だけ”を結ぶ全長約2.8kmの路線です。ただし、南海電鉄が保有しているのは起点の和歌山市駅から約800m程度で、残りの約2kmは和歌山県が保有しています。南海電鉄は和歌山県から約2kmの線路を借りて、自社保有区間と合わせて「和歌山港線」として一体運用しています(和歌山県保有区間の鉄道施設の整備も受託しています)
和歌山港線はもっと先もあった 2002年5月まで、和歌山港線は約2.6km先の水軒駅まで続いていました。和歌山市駅と和歌山港駅の間に3つの途中駅(久保町駅、築地橋駅、築港町駅)もあったのですが、2005年11月にまとめて廃止されました(久保町駅は鉄道施設の保有者の境界でもあった)
サザン号 特急サザン号には自由席車両と指定席車両があり、指定席車両に乗るには座席指定券が必要です。一部は和歌山港駅から難波駅まで直通するのですが、今回は和歌山市駅始発の便に乗車することになりました

 サザン号は定刻通りに難波駅に到着しました。スマート好きっぷが適用されれば、和歌山港駅から難波駅までの運賃(930円)が実質無料となるはずです。

 Visaのタッチ決済を使って乗車した場合、難波駅では以下の改札口から出場できます。他の改札口からは出られないので注意してください

  • 2階中央改札口
  • 3階北改札口

 難波駅では、和歌山港駅と同じ専用改札機に加えて、既存の自動改札機にICカードリーダーとQRコードリーダーを外付けしたものの両方があります。いずれの場合も、乗車駅でかざしたものと同じカードをかざさないと出場できませんので注意してください。

改札機のイメージ 難波駅は既存の自動改札機に外付けのリーダーを設置した改札口もあります(写真は2021年12月に南海電鉄鋼索線(高野山ケーブル)の高野山駅で撮影したもの)

タッチ決済での乗船/乗車分はいつ決済される?

 南海フェリーや南海電鉄が実施してるVisaのタッチ決済の実証実験では、乗車した翌日に運賃の決済が実行されます。タッチ決済対応のデビットカードやプリペイドカードで乗車/乗船する場合、利用可能額(残高)を超える決済が成立してしまうこともありますが、その場合は不足分を速やかに入金(チャージ)してください

 正確な乗車区間や割引の適用履歴を知りたい場合は、QUADRAC(クアドラック)が提供するWebサービス「Q-Move」に会員登録してください(利用後の登録でも構いません)。過去1年(365日)分の履歴を確認できます。Google Pay/Apple Payのバーチャルカードで乗車/乗船した場合は、元のカード番号で登録するとバーチャルカードにおける履歴もまとめて確認できます

請求状況 Visaのタッチ決済で乗車/乗船した分の運賃は、乗車/乗船の翌日に利用したものとして請求が行われます。デビットカードやプリペイドカードでは残高を超える利用が成立する可能性もあるので、その場合は速やかに不足分を入金(チャージ)してください。ちなみに、エポスカードでGoogle Payのバーチャルカードを使うと、明細の前方に「GP/」という識別子がつきます
Q-Move Visaのタッチ決済で乗車/乗船した履歴の詳細を確認したい場合は、QUADRACのWebサービス「Q-Move」の会員登録が必要です。登録すれば、実際の乗車/乗船日や割引の適用状況も確認できます。なお、Google Pay/Apple Payのバーチャルカードを使った場合は、当該カードの元となるカード番号で登録すればバーチャルカードでの乗車/乗船分の履歴も確かめられます

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