動かせない「5Gホームルーター」 Androidスマホの「有線LANテザリング」を使えば問題解決?5分で知るモバイルデータ通信活用術(2/2 ページ)

» 2022年08月17日 12時00分 公開
[島田純ITmedia]
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イーサネットテザリングで気を付けるべきことは?

 イーサネットテザリングを実際に使ってみると、特に有線LAN機器のある環境では便利だと分かりました。ただ、注意すべき点はいくつかあります。

注意その1:プランの通信容量制限

 ドコモの5Gギガホ プレミアや楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VII」には、テザリングを含むデータ通信における月間の通信速度制限はありません(※2)。しかし、他のキャリアが提供する「データ通信容量無制限」プランでは“別枠”でテザリングの月間容量制限が設定されています

 例えばauの「使い放題MAX 5G(4G)」や、ソフトバンクの「メリハリ無制限」は、端末単体でのデータ通信容量は無制限ですが、テザリングには月間30GBの容量制限が設けられています。テザリング用の容量制限を超過した場合、翌月まで(※3)テザリング中の通信速度に制限が掛かってしまいます。

 例外は、KDDIと沖縄セルラー電話が提供する「povo2.0」の「データ使い放題トッピング(24時間)」です。このトッピングはテザリングを含むデータ通信が24時間(1日)だけ使い放題になります。一時的に大容量の通信をする場合は、povo2.0が便利といえそうです。

(※2)Rakuten UN-LIMIT VIIは、au 4G LTEエリアでのローミングに対して月間5GBの通信容量制限があります(容量無制限は自社エリアでの通信にのみ適用されます)。また、同プランで1日のうちに一定量の通信(筆者実測で10GB程度)を行うと、日付が変わるまで速度制限が掛かります
(※3)ソフトバンクの場合、契約者によっては料金の締め日が月末以外(毎月10日または20日)になる場合があります

注意その2:本体のバッテリー持ちと発熱

 イーサネットテザリングでは、有線LANアダプターの電源は原則として端末本体から供給されます。そのため、端末単体で使う場合と比べてバッテリーの消費量は増えます。一応の回避策としては「セルフパワー(自分で電源を供給できる)USBハブを介して接続する」「USBパススルー給電に対応するアダプターを使う」といった方法がありますが、後者は使い方によっては給電に伴う発熱が発生する可能性があるので注意してください。

 また、イーサネットテザリングはWi-FiテザリングやBluetoothテザリングと併用可能です。Wi-Fiで接続できる機器はWi-Fiテザリングで、そうでない機器はイーサネットテザリングでつなぐという使い方もできます。しかし、Wi-Fiテザリングとイーサネットテザリングを併用すると本体の発熱が増します。「電波が良く入る」という理由で窓際にスマホやタブレットを置いておくと、直射日光によって余計に温められるので特に注意が必要です。

 特に暑い夏場は、エアコンや小型の扇風機をうまく使ってデバイスの放熱性を高めてください。

熱対策 窓際に設置する場合は熱対策を忘れずに(特に夏場は注意)

うまく使えば固定回線のバックアップにも使える!

 最近、筆者は親族から「何もしてないのにインターネットに繋がらなくなった! 仕事が進まない!」という相談を受けました。普段から自分が管理/運用しているネットワークではないため、原因の特定と解決に少々時間を要しました。

 こうした“つながらない”トラブルは、思わぬタイミングで起こることがあります。代替の通信手段の1つとして、イーサネットテザリング対応のAndroidスマホと回線を準備しておく手は有効かもしれません。

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