従来提供されているNTTドコモのスマートフォン向け補償サービスには「ケータイ補償サービス」と「AppleCare+ for iPhone」があります。この2つの補償サービスに加え、2022年9月15日には「smartあんしん補償」の提供が開始されました。
オンライン専用プランであるahamoでも対象外サービスもありますが、各補償サービスは利用できます。まずはsmart あんしん補償について見ていきましょう。
smartあんしん補償は2022年9月1日以降発売のiPhone、Android、タブレット、ケータイで加入でき、月額料金は機種によって330円(ケータイ)、550円、825円、990円の4つの月額料金に分かれています。補償の内容は「電話機の交換(1年間に2回まで)」か「修理費用に対しての補償」から選べますが、電話機の交換の場合、月額料金によって契約者の負担金額が3つに分かれます。
iPhoneだとiPhone 14シリーズ以降のモデルがsmartあんしん保証の対応機種ですが、smartあんしん補償ではなく、後述するAppleCare+ for iPhoneに加入するという選択肢もあります。
電話機交換の補償を選択すると、原則、申し込みから2日以内に自宅や勤務先に交換用の機種が届けられます。交換時の利用者負担金は機種によって異なり、スマートフォンの場合だと8250円か1万2100円の2種類。交換時の端末は新品同等のものが用意されますが、これは一度使用された端末をドコモが修理や初期化したものです。あるいは回収後に動作確認や初期化のみした「リフレッシュ品(B品)」を4400円で交換可能です。なお、My docomoから電話機交換を申し込むと、負担金が10%割引になる「WEB割」もあります。
修理費用に対しての補償を選択した場合、iPhoneは上限5500円、Androidは上限3300円で修理できます。ただし、smartあんしん補償に加入していたとしても、内部基板の変形や破損、改造をした場合などは、修理費用に対して補償が受けられなくなります。その場合は電話機の交換サービスを利用することになります。
他に、画像や電話帳などのデータを復旧させる「ケータイデータ復旧サービス」(1100円)、紛失したときに携帯電話のおおよその位置を検索できる「ケータイお探しサービス」(無料)も利用できます。ただし、ahamoはこのケータイデータ復旧サービスとケータイお探しサービスは対象外です。
smartあんしん補償の加入には、ドコモの回線契約は必須ではなく、端末本体の購入のみでも適用できます。ドコモの回線解約後でも、利用手続きをすればsmartあんしん補償の継続利用は可能です。
smartあんしん補償には、「イエナカ機器補償」「携行品補償mini」「スマホ不正決済補償」の特典も付いています。
イエナカ機器補償はPCやゲーム機、テレビなど家庭で使うデジタル機器でインターネット回線に接続できる機器が故障・破損した場合に修理費用が補償されるサービスです。補償例としては、PC、テレビだと最大7万円、タブレットだと最大4万円まで補償されます。smartあんしん補償の加入者の家族が持っている機器でも補償対象です。
携行品補償miniは外出先で何か持ち物をなくしたり破損したりした場合、最大1万円の補償が受けられるサービスです(ただし、1事故あたり3000円の自己負担が発生)。「何が携行品になり、何が携行品にならないか?」に関しては「携行品補償センター」に問い合わせをして確認することができます。
スマホ不正決済補償は、QRコード決済、後払い式電子マネーなどで利用者が被害に遭い、決済事業者の補償金額の上限を超過した場合、最大100万円まで補償されるサービスです。
ケータイ補償サービスの携帯電話に対しての補償内容は、smartあんしん補償とほとんど同じです。違いは対象機種、月額料金、電話機交換サービスの付随サービスなど、そしてイエナカ機器補償、携行品補償mini、スマホ不正決済補償がついてないことです。
smartあんしん補償にはなく、ケータイ補償サービスには用意されている電話機交換の付随サービスが2つあります。1つは交換機の届け先が東京23区、大阪府大阪市の場合、かつ午前9時から午後4時の間に申込手続きを完了させると、4時間以内で届く「エクスプレス配送」(別途送料として3300円が必要)。もう1つがリフレッシュ品ではなく、新品の機種を全国153のドコモショップで交換できる「店頭交換」です。
3つ目の補償サービス、AppleCare+ for iPhoneについて解説します。
AppleCare+ for iPhoneはドコモとの契約時、または端末購入後にAppleで申し込むめます。月額料金はモデルによって異なり、一番高額なのがiPhone 14 Pro Maxの1480円、一番安いのがiPhone SE(第3世代)の408円です。
smartあんしん補償(またはケータイ補償サービス)とAppleCare+ for iPhoneは、どちらを契約すればいいのでしょうか。
例えば「バッテリー交換」を希望するなら、バッテリー容量が80%未満を切ると無償でバッテリー交換ができるAppleCare+ for iPhoneがいいでしょう。そして画面割れ、または背面ガラスの修理だけであれば、smartあんしん補償(またはケータイ補償サービス)の修理費用が5500円に対して、AppleCare+ for iPhoneだと3700円で済むためAppleCare+ for iPhoneの方が負担は軽くなります(ただし、iPhone 12より前のモデルは背面ガラスのみの修理補償は対象外)。
一方、「電源が入らない」など画面割れ、または背面ガラスの修理以外で比較した場合は、smartあんしん補償(またはケータイ補償サービス)の修理費用が5500円に対し、AppleCare+ for iPhoneだと1万2900円と、今度はAppleCare+ for iPhoneの方が大きくなります。「画面割れ以外の故障でも修理負担を軽くしたい」と考えるのであれば、smartあんしん補償(またはケータイ補償サービス)に加入した方がいいでしょう。さらにsmartあんしん補償(またはケータイ補償サービス)であれば、データ復旧サービスが1100円で利用できます。
紛失・盗難補償に関しても、smartあんしん補償(またはケータイ補償サービス)はサービス内に含まれていますが、AppleCare+ for iPhoneだけでは紛失・盗難補償はされません。紛失・盗難補償をつける場合はAppleCare+ for iPhoneより月額料金が83円〜120円高くなる「AppleCare+ 盗難・紛失プラン」に加入する必要があります。
ドコモのAppleCare+ for iPhoneも手厚い補償サービスを提供していますが、後述するau、ソフトバンク、楽天モバイルのAppleCare+と違い少し特殊です。まず加入するには、ドコモの回線契約が必須です。そして回線を解約したり、他社に乗り換えたりすると、AppleCare+ for iPhoneも解約されてしまいます。さらに補償サービスを受けられる期間も24カ月が最長となっているため、24カ月を過ぎると一切の補償を受けられなくなります。
ですので「ドコモのiPhoneを購入したら、AppleCare+に加入したい」と考えるのなら、ドコモのAppleCare+ for iPhoneではなく、iPhone購入後の30日以内にAppleでAppleCare+ for iPhoneを申し込むことをお勧めします。
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