Suicaは2021年3月より、iPhoneからAndroidへの移行が可能になっている。
条件は、iPhoneのSuicaアプリにログインしていることだ。ログインに使っているメールアドレスとパスワードも確認しておこう。この状態でウォレットアプリからSuicaを削除すると、AndroidのモバイルSuicaアプリで復元できる。手続き可能な時間や細かい注意点もあるので、モバイルSuicaの案内サイトを確認して手続きを行おう。
PASMO、nanaco、WAONはiPhoneからAndroidへの移行に対応していない。PASMOは退会して残高や定期券は払い戻す必要がある(手数料210円が差し引かれる)。nanacoやWAONの場合は残高を使い切って、改めてAndroidで新規登録する必要がある。
iD、QUICPay、VISAやMasterCardなどのタッチ決済(コンタクトレス決済)は、新しいAndroidスマホに改めて登録すればよい。
一般的なアプリの多くはiPhoneとAndroidで提供されており、ログインし直すだけで移行できるものが多い。気を付けるべき点は、iPhoneのApple IDでサブスクサービスの支払いを行っている場合、別の支払い方法に変えることぐらいだ。買い切りの有料アプリに関しては、Android版を改めて買う必要がある。
ゲームアプリのデータは事前に移行用のIDやパスワードを発行し、移行後のアプリに入力することで引き継げるものが多い。ただし、iPhone〜AndroidのようにOSを超えるデータ移行だと、ゲームにもよるが石やコインと呼ばれる課金アイテムが消滅する場合がある。移行時の案内をよく読み、移行できない場合は課金アイテムを利用したうえで移行しよう。
iPhone〜Androidという異なるOS間のデータ移行は、通常の機種変更と違って若干手間がかかる。だが、近年は機器やOSを問わず使えるクラウドサービス、Webサービス、サブスクの利用が一般的になり、電話帳やスケジュール以外のデータを移行するハードルはかなり下がった。キャッシュレス決済についても、コード決済はログインや電話番号での管理なので移行に関して不便な部分は少ない。
今でもLINEの過去のトーク履歴をOS間で移行できない点や、やはりiPhone間の移行より手間のかかる点が気になる人もいるだろう。とはいえ、以前と比べればiPhone〜Androidの異なるOS間の移行でつまずく部分はかなり減ったといえる。この記事がiPhoneからAndroidへの移行を迷っている人の一助になれば幸いだ。
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