物価高でもGalaxyのハイエンドモデルが好調の理由 S23シリーズは“海外の成功事例”で攻める石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2023年04月08日 09時00分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

ついに1TB版が日本に上陸、海外の成功事例を生かした予約キャンペーンも

 中でもインパクトが大きいのは、ストレージ容量が通常モデルより大きい512GBと1TB版のGalaxy S23 Ultraを販売することだ。海外では通常、Androidスマートフォンもストレージ容量にバリエーションが設けられており、ユーザーがある程度自由に選択することが可能だ。一方の日本では、こうした選択肢が存在するのはiPhoneやPixelなど、一部のモデルにとどまる。1機種あたりの販売数が少ないこともあり、ニーズが集中するストレージ容量に絞らざるを得ないのが現状だった。

 これに対し、Galaxy S23 Ultraではドコモとauがファントムブラックをオンライン限定で販売。ドコモが512GB、auが512BGと1TBを用意する。オンラインに特化しており、カラーも1色のため、大容量版の販売数量は限定されそうだが、多数のゲームをインストールしたり、動画の撮影が多かったりするユーザーにはうれしい選択肢ができたといえる。処理能力が高く、動画撮影機能に優れているGalaxy S23 Ultraは、大容量のストレージとも相性がいい。

Galaxy S23 写真は512GB版。auでは1TB版も販売され、ストレージのバリエーションは計3モデルになる
Galaxy S23 512GBと1TBはいずれもファントムブラック。カラーも含めてオンライン限定という位置付けだ

 大容量版を訴求するため、予約特典も従来とは方向性を変えた。これまでのGalaxyは、「Galaxy Buds」や「Galaxy Watch」といった周辺機器を無料でプレゼントするのが一般的だったが、512GB版と1TB版は「Wストレージキャンペーン」を展開する。ストレージ容量が1つ下のモデルとの差額を還元するというのが、このキャンペーンの趣旨だ。ドコモの512GB版は、Amazonギフト券での2万円還元。auの場合、512GBで1万5000円、1TB版で1万7000円ぶんのAmazonギフト券を受け取ることができる。

 2社とも、「いつでもカエドキプログラム」や「スマホトクするプログラム」の実質負担額を基準に差額を還元している。そのため、本体価格を元に算出したときより額は小さくなるが、負担が上がらず大容量のモデルを選択できるのはお得といえる。カラーに強いこだわりがなければ、あえて256GBモデルを選択する理由が薄くなる。キャリアのオンラインストアを上手に活用しながら、Galaxyのヘビーユーザーを取り込んでいく戦術といえる。

Galaxy S23 日本で初めて、Wストレージキャンペーンを展開。1つ下の容量との差額をAmazonギフト券で還元する

 小林氏によると、「グローバルでは大容量版が好調」だといい、キャリアとの交渉を重ねた結果、オンライン限定での販売が実現したという。実はWストレージキャンペーンも、「海外でもともとやっていたもので、それをベンチマークにした」(同)。確かに筆者も2月のUNPACKEDの後、米T-Mobileのショップを訪れた際に、「フリーメモリーアップグレード」という予約特典を目にしている。

 このような海外での成功事例を日本市場に落とし込めるのは、幅広い国や地域で展開しているサムスン電子の強みといえる。大容量版は「ニーズが高いと思う」(同)というだけに、これが成功すれば、Galaxy Zシリーズなど、他のフラグシップモデルにも広がる可能性はある。Galaxy S23 Ultraのオンライン限定販売の成否が、その試金石になりそうだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月26日 更新
  1. 「0.2秒で冷却」をうたうペルチェ素子搭載の腰掛けファン Amazonで53%オフ (2026年07月24日)
  2. ドコモが「iPhone 17」シリーズや「iPhone Air」を値上げ 一部機種は残価も引き上げ、実質負担額の影響は? (2026年07月24日)
  3. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  4. 330円で手に入る「足元灯」「非常灯」 充電式になって利便性向上 (2026年07月25日)
  5. 従来の健康保険証は7月31日で利用不可に 8月1日以降は「マイナ保険証」の利用を (2026年07月24日)
  6. 界面活性剤とマイクロファイバーでタッチパネルをきれいに! ダイソーで220円の「スクリーンクリーナー」を試す (2026年07月25日)
  7. サムスンが「Galaxy Z Fold8」で横長折りたたみを投入する理由 AIの進化にもマッチ、“iPhone包囲網”も万全か (2026年07月25日)
  8. なぜ「LINE VOOM」は嫌われたのか 保護者を悩ませた“子供たちの抜け道” (2026年07月24日)
  9. モトローラから新しいミドルレンジスマホ「moto g37」シリーズ登場 ソフトバンク、楽天モバイル、ドコモも取り扱い (2026年07月24日)
  10. ドコモ販売ランキング:新発売の「Xperia 1 VIII」が上位にランクイン【2026年6月】 (2026年07月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー