9月1日にソニーが国内投入を発表した「Xperia 5 V」。キャリアからの発表も待たれる秋冬商戦向けの新モデルとなる。
Xperia 5 Vはカメラ、オーディオ、ディスプレイに注力しつつも、横幅を抑えコンパクトなボディーを実現した5Gスマートフォン。この内、カメラが先代の「Xperia 5 IV」から1つだけ減った。一方でスピーカーの音質向上を果たすなど、進化を遂げた部分もある。
そんなXperia 5 V(開発中)の実機に触れる機会を得たので、外観を中心にXperia 5 IVとの違いをチェックした。
まずはカラーを見ていく。Xperia 5 Vのカラーはブラック、プラチナシルバー、ブルーの3色展開だ。5 IVのイメージカラーとなっていたグリーンがなくなり、爽やかなブルーが追加された。手触りはザラッとしており、指紋や手汗は目立ちにくい。
片手で持ちやすいのも5シリーズならではのよさだ。サイズはXperia 5 IVが67(幅)×156(高さ)×8.2(奥行き)mmだったのに対し、Xperia 5 Vは68(幅)×154(高さ)×8.6(奥行き)mm。横幅は1mm増え、高さは2mm低くなり、奥行きは4mm増した。手にしてみると数値ほどサイズの差を感じることはないが、左右のベゼルは増えたような印象を受ける。
重量は172gから182gへと10g増量。先代よりも軽量にしてほしかったところだが、パーツの改良を理由に重くなったという。それでも小型かつ細いことに変わりはなく、ずっしりどっしり感はない。
横置きと縦置きの両方に対応した純正ケースが用意される。撮影時のグリップ力を高める他、カメラの台座を保護し、カメラがケースからはみ出ないように設計されている。
最も変わったのは背面のアウトカメラだ。
Xperia 5 IVとXperia 5 Vの構成を比べてみると、明らかな違いがあることに気付く。Xperia 5 IVまであった望遠カメラがXperia 5 Vでは省かれていることだ。
一方で広角カメラのイメージセンサーを一新し、2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile」を搭載した。「Xperia 1 V」で初めて採用されたセンサーで、フォトダイオードとトランジスタを2層に分離し、フォトダイオードとトランジスタをそれぞれ拡大して配置した。1画素当たりの集光量を最大化し、ディテールがつぶれることなくきれいな仕上がりとなる。
ではズームはどのように行うのか? 48mmのズームを行う際、有効画素数4800万画素をクロップし、1200万画素で記録する仕組みを取り入れたことで、デジタルズームで発生しがちな画質劣化なく光学2倍相当のズームが可能だという。さらにXperia 5 IVの焦点距離60mmで1.0μmだったのに対し、Xperia 5 Vの焦点距離48mmでは1.12μmとより大きなピクセルピッチになったことで、画質が向上したという。
先代からカメラの数は減ったものの、実質的に2つのカメラだけで3つの画角で撮影できるということだ。
またAIと深度測定の組み合わせで被写体と背景の境界線の精度が向上。被写体からの前後距離に応じた自然なぼけ具合を可能にしたという。
カメラに関する新機能として「Video Creator」アプリがプリインストールされている。Video Creatorは音に合わせて、幾つかの動画や静止画を組み合わせた動画を自動作成する他、4K 120fpsの動画や、一眼レフカメラなどで撮影した動画も手動で編集できる。
Video Creatorに取り込める素材は99クリップまで。動画の長さは15秒、30秒、60秒、180秒、制限なしから選べる他、好きな音楽もプリセットリストから指定できる。解像度は720p、1080p、4K、フレームレートは24、30、60fps、アスペクト比は9:16、16:9、4:5、21:9、1:1から選択できる。なお、HDRクリップを取り込んだ場合はSDRに変換される。
動画の回転、再生開始/終了位置の変更、再生速度変更、他の素材との差し替え、音量調整、コピー、削除も可能だ。雰囲気を変更できる5種類のフィルターが用意されるが、明るさ、コントラスト、ハイライト、シャドー、彩度、色温度、シャープネスの調整を手動で行える。
フォーマットは動画がmp4、m4v、movの3種類、静止画がJPG、PNGの2種類、音楽がMP3、MP4A、WAVに対応している。
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