さて、ここからはStick WiFiならではの魅力と、使って分かった改善点について説明したい。
前述の通り、Stick WiFiは重量が約33gと軽い。
ソフトバンクにおけるモバイルルーターの選択肢はStick WiFiの他にも約240gの「Pocket WiFi 5G A101ZT」や、約225gの「Pocket WiFi 5G A004ZT」があるが、Stick WiFiとこの2モデルの重量差は207gと192gもある。
筆者はモバイルルーターの他にも200g台のスマートフォン、約658gの一眼レフカメラ「α7 IV」、1240gの「MacBook Air(M2)」を仕事用途で使っており、これらを200g台のモバイルルーターと一緒に持ち運ぶとなると、総重量が2kgオーバーになってしまう。
33gのStick WiFiを選んだとしてもカメラのレンズを含めると、2kgオーバーの総重量に変わりはないのだが、200g以上あるモバイルルーターを持ち歩くよりは楽になる。
軽量なStick WiFiだが、バッテリーを搭載しないため、Stick WiFi用の電源を確保しなければ、全く使えないということになる。
実際、メーカーであるZTEの製品ページには「車のUSBポートにさして移動中もつながる」との記述があり、車でも試したかったが、あいにくUSBポート付きの車を所有していないため、実際に試すことはできなかった。
では他に電源となる物はあるのか? と思い、いろいろ試してみると、USBアダプターだけでなく、スマートフォンやモバイルバッテリーなどを電源として、Stick WiFiを起動できることが分かった。
例えば、「iPhone 15」シリーズの場合、他のデバイスに“有線”で給電できる機能を持つが、Stick WiFiはUSB Type-A端子を搭載するため、「USB Type-C to C」のようなケーブルはつなげず、iPhone 15シリーズのUSB Type-CポートとStick WiFiの間に変換アダプターを挟む必要がある。
両デバイスの間に挟むアダプターは市販の物でもいいだろうが、筆者は別の用途に使っていたApple純正の「USB-C - USBアダプタ」(Apple Store価格は2780円)で試したところ、Stick WiFiが問題なく動作した。
当然ながらUSB Type-Aポートを備えるモバイルバッテリーやUSBアダプター、PCなら変換アダプターを介さずに使える。
仕事をしながらスマートフォンで撮影をしたり、手持ちで録画をしたりする場合は、スマートフォンに変換アダプターやStick WiFiが付いていると邪魔になるが、スマートフォンを机上に置いて使う分にはStick WiFiがつながっていても問題なさそうだ。ただ、スマートフォンを充電しながらだとStick WiFiが使えないので、その場合はStick WiFiをモバイルバッテリーやUSBアダプターに直接つなぐ必要がある。
電源さえ確保できればつながるStick WiFiだが、念のため繰り返しお伝えすると、災害時などで電源を確保しづらい環境になると、Stick WiFiの“バッテリーレス構造”が裏目に出るだろう。
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