「Galaxy S24」はAIでスマホの使い勝手を刷新 Google/Microsoftとの“等距離外交”も強みに石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2024年01月20日 09時30分 公開
[石野純也ITmedia]

画像編集やカメラにもAIを活用、その下支えをするGoogleのAI

 GoogleのPixelシリーズでおなじみとなる、生成AIを使った画像編集機能にも対応する。Galaxyシリーズには以前からガラスへの映り込みや、接写などの際の写った影を検知・除去する機能はあったが、編集時に不足する部分を“描き足す”こともできるようになった。Pixelの「編集マジック」に近い機能と言えば、理解しやすいだろう。例えば写真に写った人物や物を移動させると、本来、その背景は空白になる。ここで生成AIを活用し、背景を書き足すことであたかも自分や物が3D空間上のパーツになったかのように扱うことができる。

Galaxy S24 写真の中の人物や物を移動させると、その背景が生成AIによって描き加えられる

 ここまでは編集マジックとほぼ同じだが、Galaxy S24シリーズの場合、角度補正にも対応する。もともと長方形だったデータを被写体に合わせて斜めにすると、上下左右に空白ができてしまう。一般的なスマホの画像編集の場合、画角をそのままにする際には端の部分をトリミングする。これに対し、Galaxy S24の生成AIは足りなくなった部分を書き足し、長方形の写真を作り出す。本来写っていたところを拡張することができるというわけだ。この機能はPixelの編集マジックにはなかったものだ。

Galaxy S24
Galaxy S24 角度補正時に、足りなくなった背景を拡張できる。これは、Pixelの編集マジックにはなかった機能だ

 AIは撮影にも活用。デジタルズームやナイトモードなどの処理にAIを使っているのは以前から変わっていないが、新たにフレーム補間によるスローモーション動画を作成できる「Instant Slo-mo」にも対応した。スローモーションで動画を撮るには、フレームレートを高くしなければならなかったが、この機能を使うと、AIが不足している“間”の映像を作り出す。その結果、フレームレートを問わず、撮った動画を後からスローモーションにできる。

Galaxy S24 本来存在しない間のフレームを生成して、疑似的なスローモーション動画を作り出すことも可能だ

 サムスン電子は一連のAIをGalaxy AIと命名。対応機能は、設定時などに一覧で表示される。もっとも、そのAIモデルはサムスン電子が独自に開発したものではなく、多くの機能にGoogle Cloudの「Gemini Pro」や「Imagen 2」が活用されている。これらはクラウドベースのAIだが、端末上で処理が完結するものに関しては、同じGoogleの「Gemini Nano」を採用。自社AIに加え、GoogleのAIを組み合わせて、Galaxyの機能に落とし込んでいる。

Galaxy S24 Galaxy AIには、GoogleのGeminiをはじめとしたAIモデルを活用している

 Unpackedには、Googleでプラットフォーム&エコシステムを担当するシニアバイスプレジデントのヒロシ・ロックハイマー氏も登壇。「Do more with Google(Googleをもっと活用しよう)」というキャッチフレーズを掲げ、サムスン電子との協力関係をアピールした。GoogleのAIモデルを活用したのは、その一環。AndroidのセキュリティアップデートやOSアップデートも、それぞれ7年/7回に延ばし、Pixel 8シリーズに追随した。こうした長期保証ができるのも、Googleと密接な連携をしているからだろう。

Galaxy S24
Galaxy S24 イベントには、Googleのロックハイマー氏が登壇。「Do more with Google」というキャッチフレーズを掲げ、サムスン電子との協力関係をアピールした

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