「Galaxy S24」はAIでスマホの使い勝手を刷新 Google/Microsoftとの“等距離外交”も強みに:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2024年01月20日 09時30分 公開
[石野純也,ITmedia]
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Galaxy S24シリーズは“オープンコラボレーション”の集大成

 さらに、Galaxy S24シリーズは、Google検索の新機能である「かこって検索」にも先行的に対応している。これは画面上に表示されたさまざまな物や文字を特定し、検索する機能のこと。ホームボタンやナビゲーションバーを長押しすると検索モードになり、画面の一部を丸で囲んだり、線を引いたりすることで指定でき、その結果が画面下部に表示される仕組みだ。

Galaxy S24
Galaxy S24 Galaxy S24シリーズは、Googleのかこって検索にいち早く対応したモデル。その操作方法は、Galaxy S24 Ultraに搭載されたSペンを生かしやすい

 また、この検索結果に対し、質問を入力すると、生成AIによる回答も表示される。これは、Googleが日本や米国などで導入している「SGE(生成AIによる検索体験)」を応用したもの。Galaxyの独自機能ではなく、Androidの機能だが、Galaxy S24シリーズには発売時点でかこって検索が実装されている。Googleによると、この機能に最速で対応するのは、自社のPixel 8シリーズとサムスン電子のGalaxy S24シリーズだけ。GalaxyをAndroidの“代表”として、自社端末と同様に優遇しているというわけだ。

Galaxy S24 検索結果に関して、AIに質問することもできる。ここには、SGEが活用されている

 前回の連載で取り上げたように、Androidのファイル共有機能である「ニアバイシェア」も、サムスン電子の「クイック共有」に統合される。統合は2月からの予定だが、米国などで1月31日に発売されるGalaxy S24シリーズには、既にニアバイシェアが搭載されていない。クイック共有を立ち上げた際には、Galaxyだけでなく、Androidスマホ全体とデータを共有できる旨が案内される。GoogleのAIモデル採用やかこって検索の先行導入、さらにはニアバイシェアのクイック共有との統合など、サムスン電子はGoogleとの関係性をさらに縮めてきたように見える。

Galaxy S24 サムスン電子とGoogleは、AndroidのニアバイシェアをGalaxyのクイック共有に統合する。Galaxy S24シリーズでは、その新クイック共有をいち早く利用できる

 一方で、同社はかつて、Microsoftとの連携をアピールしていた時期もあった。Galaxyシリーズも、ギャラリーアプリには「OneDrive」が、Samsung Notesには「OneNote」が組み込まれており、Androidが標準で採用する「Googleフォト」や「Google Drive」とは連携しない。GalaxyシリーズがプリインストールするOfficeアプリも、Microsoftのもの。一時は検索エンジンを「Bing」に変更することも検討していたと報じられており、GoogleのAIを全面的に採用したことには意外感もあった。

Galaxy S24
Galaxy S24 サムスン電子はMicrosoftとの提携を強化しており、OneDriveやOneNoteをGalaxyのプリインストールアプリに組み込んでいた。写真は19年8月に開催されたUnpackedの様子。MicrosoftのCEO、サティア・ナデラ氏もゲストとして登壇していた

 とはいえ、メーカーはある意味中立な立場。サムスン電子が2大プラットフォーマーと“等距離外交”を展開していると考えれば、その理由も説明がつく。Googleだけに依存していると、同社の純正スマホであるPixelを筆頭にした他社のAndroidとの差異化が難しくなる。実際、Galaxy AIも一部にPixelとの重複がある。また、PCなどとの連携を踏まえると、WindowsやOfficeに強いMicrosoftとタッグを組んだ方がAppleに対抗しやすくなる。Galaxyの中に、GoogleとMicrosoftを共存させることで、端末の特徴やGalaxyとしてのエコシステムの特徴を打ち出しやすくなっている。

 サムスン電子の盧氏は、Unpackedの冒頭で「オープンなコラボレーションを通じて、意義のあるイノベーションを提供する」と語っていたが、ここには、GoogleやMicrosoftといったプラットフォーマーも含まれる。まさにこれは、年間で2億台以上のスマホを販売するサムスンならではの戦略で、他社が追随するハードルは高い。Galaxy S24シリーズは、こうしたオープンコラボレーションの集大成と捉えることもできる。Galaxy AIは2023年に発売されたハイエンドモデルにも展開される予定で、Galaxy S24シリーズにとどまらないサムスン電子の新たな強みになりそうだ。

Galaxy S24 オープンなコラボレーションを実践してきたサムスン。Googleとの協業強化も、その一環といえる
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