もうひとつ、撮影時の小技を。
曇天下の桜って、どうしても全体的に“暗く”写りがちで、色も“青白く”なりがち。
撮ってから「ブリリアンスさん、よろしく!」もいいけど、撮るときにひと工夫する手もある。
まず、プラスの露出補正をかけておく。続いて「フォトグラフスタイル」。ここで「鮮やか(暖)」を選ぶのだ。
すると、明るくてほんのりピンクがかった桜を撮れるのだ。
標準のカメラアプリは細かい撮影設定はできないけど、このくらいはイケるのである。
桜の花にフォーカスして撮りたい、となると、背景をぼかしたいよね。背景がごちゃっとしてると、何を撮りたかったのか分からなくなっちゃう。
桜の花をキリッと撮りたいときは、暗めの背景を選ぶべし。そうするとコントラストが高くなって、花も明るく撮れる。
でも、ちょっと背景がごちゃっとしてる。ではポートレートモードでぼかしてみよう。
数年前までのiPhoneは、花をポートレートモードで撮るとディテールがかなり怪しくなっちゃってヤバかったけど、最近はかなりレベルが上がってるから、使ってみるのもいい。
完璧ではないけど、背景が大きくぼけることで、撮りたかった花にフォーカスできた。
ガチで桜をきれいに撮りにいくなら、ガチのカメラを持ち出すべきだと思う。ディテールのクオリティや撮影のバリエーションが違うし、イメージ通りの写真を撮れる。
でもiPhoneにはiPhoneの良さがある。それはいつも持ち歩いてるってことだ。
桜は、いろんなところにいろんな理由で植えられている。公園の中にぽつんと1本だけある大木だったり、道路脇の並木だったり。背景も川だったり、池だったり、お寺だったりと、シチュエーションもいろいろ。春になってはじめて「ここにも桜があったのか!」と気づくことも多い。
だからふと出会った桜を、その出会ったときの新鮮さで撮れるのがiPhoneなのだ。
その時、ただ目についたものを撮るんじゃなくて、ちょっと立ち止まって、桜をどっちからどのくらいの距離で撮ると「桜がある風景」として、その場の雰囲気を捉えられるか、その桜のどこにフォーカスしたら、そのときの自分の目線を閉じこめられるか――そんなことを考えて撮ると、自分ならではの桜の写真になる。
例えば、あえて逆光で撮ってみる。
この時は超広角カメラを選び、桜の幹を背に、目の前に伸びた枝とガスタンクを入れた逆光にしてみた。桜ごしの風景もいいなと思ったのだ。
最後は夜桜だ。
撮ったのは2023年だけど、たまたま横浜であれこれ撮影してた帰りに見つけたきれいにライトアップされたシダレザクラ。
シダレザクラだけだと何か物足りなかったので、あえてマリンタワーが顔を出すアングルにし、2xで撮ってみた。iPhone 14 Proでの撮影だ。
つまり、桜っていろんな撮り方ができるし、晴れてても曇っていても雨が振っていても面白いし、今やいろんなところに植わっているので、ふとした桜との出会いにiPhoneを取りだそうってことだ。そして困ったら「ブリリアンス」である。
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