2019年9月、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社は5Gプレサービスをそれぞれスタートした。翌年開催の東京オリンピックに合わわせて、5Gの商用サービスをスタートさせる計画だった。
この年にはソニーの新フラグシップ「Xperia 1」が登場している。Xperia XZシリーズに変わるフラグシップとして、縦長21:9比率のディスプレイが注目を集めた。
一方でこの年には、携帯電話出荷の構造を大きく変える政策が実施された。総務省は「通信と端末の分離」をうたい文句に、スマホの値引き規制を実施した。具体的には“最大2万円まで”という上限が設定された。
ただしこの規制には“抜け穴”がある。単体で購入可能な場合は、値引き販売が許容されている。キャリア各社はこれを活用し、重点販売機種に対して集中的に値引きする販売戦略を取った。この規制は結果として、高額機種を売りづらい市場が形成する一方で、重点機種に選ばれやすいAppleに有利な規制となった。
2019年のメーカー別推移出荷台数は以下の通り。IDCの調査に基づく推計で、上位5位までのメーカーが示されている。2019年のAppleのシェアは46.2%。2位以下はシャープ、Samsung、FCNT、ソニーと続いた。
東京オリンピックに合わせて2020年に開始する予定だった日本の5Gサービスは、オリンピックの開催延期により、ひっそりとスタートを迎えた。
2020年3月の5G商用サービスの開始に合わせて、ドコモは6機種、auは7機種、ソフトバンクは4機種を投入した。ドコモは「Galaxy S20+ 5G Olympic Games Edition」や、LG製の2画面スマホの「LG V60 ThinQ 5G」など、ハイエンドモデルを中心にそろえたのに対して、auとソフトバンクはXiaomiやOPPOなどの低価格なスマホもそろえた。
ソフトバンクは2020年以降、Google Pixelを重視している。2020年10月発売の「Pixel 4a(5G)」は国内でソフトバンクが独占販売しており、5Gへの移行キャンペーンにおいて主力機種となった。
2020年10月には、iPhone 12シリーズの発売により、iPhoneも5Gをサポートした。iPhone 12 miniは5G対応のスマホの中では最も軽量な機種となっている。2020年のAppleの出荷シェアは47.1%。2位以下はシャープ、FCNT、Samsung、京セラとなった。ソニーは6位だった。
官邸による携帯料金値下げの要望を受けて、2021年春に携帯各社は20GBで3000円台の割安な料金プランをスタートした。ドコモの「ahamo」がその代表例だ。割安な料金プランを提供する分、端末値引きが縮小される傾向が強まった。
4月には楽天モバイルがiPhoneの取り扱いを開始した。第4のキャリアとしてユーザー数を拡大した結果、Appleを扱えるようになったと思われる。
またこの年は、ミッドレンジ帯のスマホで5G対応が広がった1年になった。Androidスマホで出荷数が最も多いシャープがその主力の「AQUOS sense 5G」で5Gをサポートした。
12月には、FCNTが「arrows We」を発売した。このモデルはセット割で一括1円の値付けが可能になるように、2万円台をターゲットとして開発されたエントリーモデルだ。arrowsブランドとしては8年ぶりにauでの出荷を実現するなど、ヒット作となった。
2021年のデータではAppleの出荷比率は47.0%を占めた。2位以下はシャープ、京セラ、FCNT、Samsungの順で、ソニーは6位に入った。
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