5つ星の還元率4%が目立って見える10月からのランク制度だが、dポイント単体で見ると、ランクごとの還元率は下がっている。1つ星、2つ星は現状維持だが、3つ星は2倍から1.5倍、4つ星も2倍から1.5倍、5つ星も2.5倍から2倍と、それぞれ0.5%ずつ獲得できるポイントは減ってしまう。基本の還元率が0.5%の加盟店では、0.25%分付与率が下がると考えていいだろう。倍率が下がる格好のため、もとの還元率が高い加盟店を利用する場合ほど影響を受けやすい。
dポイントをためつつ、現金や他社の決済サービスを利用していたユーザーにとっては、事実上の“改悪”になる。例えば筆者の場合、ローソンではdポイントカードを提示しつつ、基本はau PAYで決済している。共通ポイントに関してはdポイントクラブが4つ星で2倍になる一方、au PAYで支払えばPontaポイントだけでなく、povo2.0のギガ活もできるからだ。
決済サービスをd払いに変えれば特典が0.5%上乗せになるが、それでもようやく微増といったところ。3つ星のユーザーに関しては、dポイントとd払いを併用しても還元率は下がってしまうことになる。現状より付与率が上がるのは、基本的に4つ星と5つ星のユーザーだけだ。2つの改定内容を合わせて見ると、dポイントの裾野を広げつつ、dポイントやd払いのヘビーユーザーをより優遇する改定といえる。
こうした仕組みを見ていくと、ドコモがdポイントとd払いのバランスを見直し、後者により重きを置き始めていることが分かる。伊藤氏も、「加盟店においての倍率は、一部の上位ランクは下がる」としつつ、「d払い特典という新たな特典を加えた」と語る。実際、「上位ランクの方々はキャッシュレス決済を使っていることが多く、d払いの利用も特に多い」(同)という。
一方で、dポイントユーザーの裾野は、2つ星への上がりやすさや、2つ星に上がるだけで還元率が1.5倍になることで広げていく戦術だ。伊藤氏も「日頃のお買い物だけで2つ星に上がれて、お得を体験していただけることを重視した」としながら、「ヘビーな方々とは違った意味合いでお得を体験していただきたい」と語る。
一連の改定からは、ドコモがdポイント経済圏の連携をより重視し始めていることがうかがえる。共通ポイントであるdポイントに、料金プランや決済サービスのd払いがより密接にひも付けられるようになったというわけだ。秋には「eximoポイ活」の導入も予定されており、dポイント経済圏を重視する構図がより鮮明になりそうだ。
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