約2.3倍という大幅な伸びを記録したモトローラだが、2024年度に関しても「以前より魅力的な商品を提供することで、同程度の伸びを期待している」(同)という。edge 50 proやedge 50s proの投入は、その目標達成に必要なピースの1つと見ていいだろう。edge 50 proはミッドハイのスマホで、必要十分な機能を備えながらハイエンドモデルより“買いやすい”価格を打ち出している。
プロセッサには「Snapdragon 7 Gen 3」を採用。6.7型のやや縦長なエッジディスプレイは、リフレッシュレートが最大144Hzで滑らかな操作性を実現している。ヴィーガンレザーを採用した背面も独特だ。また、冒頭で述べたように、最大125Wの超急速充電ができ、1%から100%まで充電するのにわずか19分しかかからない。ハイエンドモデルのように突出したカメラ性能はないものの、必要としている機能を高いレベルでまとめ上げた端末といえる。
にもかかわらず、edge 50 proの価格は同社オンラインストアで7万9800円(税込み、以下同)と10万円を大きく下回っている。2023年のedge 40に続いて独占提供するIIJmioでは、これより1万円安い6万9800円で販売。さらにMNPで回線契約すれば2万円の割引を受けることが可能だ。その価格は4万9800円まで下がる。
ここまでは2023年に投入されたedge 40と同じだが、2024年の新たな動きとして、ソフトバンクがedge 50s proを取り扱う。edge 50s proは、edge 50 proとほぼ同一のハードウェアだが、12GBだったメモリ(RAM)が8GBに減らされている。代わりに、カラーバリエーションがedge 50 proより1色多く、バニラクリームの選択肢があるのはedge 50s proだけだ。
本体価格は8万5572円とソフトバンク版の方が高いものの、購入から1年は1カ月あたりの支払額が「新トクするサポート(バリュー)」で1円に抑えられている。12回支払って端末を下取りに出せば、その実質価格はわずか12円。2023年に導入したrazr 40sに続き、ソフトバンクがモトローラの端末を“目玉”に位置付けていることがうかがえる価格設定だ。
モトローラにとっては、edge 50 proをいわばメジャーデビューともいえるキャリア市場に導入できたことを意味する。実質12円で販売するには大量導入が必要になるため、オープンマーケット版だけだったedge 40と比べ、出荷台数を伸ばすことは確実だ。このようにキャリアに導入される製品を徐々に増やしていけば、仲田氏が語っていた“前年度と同水準の成長”を維持できる可能性が高まる。
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