楽天モバイルの“株主優待SIM”を使ってみた 毎月30GBを1年間、サブ回線の運用に最適(2/2 ページ)

» 2024年07月08日 10時54分 公開
前のページへ 1|2       

優待SIMの狙いは株主への事業理解促進か 25年以降の株主優待は不明

 楽天グループは株主優待に関して「株主の皆様の日頃のご支援に感謝するとともに、当社グループのサービスをより多くの方にご理解いただく機会を提供することを目的」と説明していますが、第27期の株主優待は実質約3.7万円分の優待となっており、1単元約8万円の投資で得られる優待としてはかなりの大盤振る舞いのため、単純な株主還元ではなく、事業理解の促進という側面の方が強いと思われます。

楽天モバイル 楽天モバイルユーザー数推移、6月中旬時点で700万人突破した

 楽天グループの2023年通期のセグメント別利益は、インターネットサービスが768億円、フィンテックが1229億円の黒字なのに対して、モバイルが3375億円の赤字となっており、モバイル部門が足かせになっている状況です。一方で、回線契約数が直近わずか2カ月で650万から700万に拡大しており、単月黒字化や、楽天モバイルが2024年度末までに目指している800万〜1000万回線というラインに近づいているのも事実です。

 そういった状況下で、株主に赤字事業のモバイル事業に触れてもらうことで、楽天経済圏におけるモバイルの中核的な価値と課題点を理解してもらおうとしているのだと思います。

 なお、楽天グループの株主は2023年12月段階で約53万人おり、株主優待専用回線ができることで単純に法人向け契約数が53万回線増えることになります。今回配布された株主優待専用回線も公表される契約者数に含まれるため、直接的な原資は楽天自社負担とはいえ、顧客基盤の拡大にも寄与します。

 株主優待専用回線は1年経過時点で自動解約となり契約延長はできないものの、12月末の2024年度決算時には契約回線数としてカウントされる上、実際に使った株主が楽天モバイルに乗り換えるきっかけにもなりえます。

 では、2025年以降も同じ優待を受け取ることは可能なのでしょうか。公式には2025年以降の株主優待は未定とアナウンスされていますが、株主優待の意図を踏まえると2024年とは異なるものになるのではないかと推測します。第1に、株主還元にしては大盤振る舞い過ぎること、第2に2024年中に単月黒字の目標達成できるのであれば、今以上の株主理解促進は不要であるためであり、特に目覚ましい契約者数の増加を踏まえると早々に目標の800万回線を突破しそうな気がします。

 とはいえ、直近の契約者数増加は既存顧客向けも含んだ乗り換え促進キャンペーンの影響が大きく、今のペースを維持できる保証はありません。どれぐらい契約者を獲得できるか、通信品質やARPUをどこまで向上できるのか、ひいては楽天モバイルは黒字化を達成できるのか、楽天グループとのシナジーをどこまで生かせるか。今後に注目です。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月16日 更新
  1. 異例の「iPhone Air」投げ売りはなぜ起きている? 定価29.5万円の1TBモデルが、いま18.4万円で買える3つの理由 (2026年10月15日)
  2. 「iPhone Air」本音レビュー:使って分かった「バッテリーの持ち」と「ケース選び」の悩ましさ (2025年10月10日)
  3. 「友達だけ」のはずが、なぜXで拡散? 看護師の患者撮影動画が流出した「setlog」の“抜け穴”とBeRealとの違い (2026年10月16日)
  4. 楽天モバイルのオリジナルAndroid端末にパッチ未提供の脆弱性 対象端末の利用者には機種変更を推奨 (2026年10月14日)
  5. AppleCare+なしで修理費最大27万超の「iPhone Duo」を守るなら? 年間2万も差が出る、スマホ保険を検討してみた (2026年10月15日)
  6. 7型ディスプレイ搭載「Apple HomeView」発表 Siri AIと顔識別で家族全員に「欲しい情報」を届ける (2026年10月13日)
  7. ダイソーで1100円の「GaN USB充電器」は折り畳みプラグで外出用に持ち歩きやすい 45W出力対応でPCでも使える (2026年10月10日)
  8. 「iPhone Duo」のAppleCare+なし修理費用が明らかに 最大27万円超、折りたたみ画面の損傷は18万円超に (2026年10月15日)
  9. ソニー、米国で新ウォークマン3機種を発表 最上位「NW-WM1ZM3」は約93万円、画面は5.5型に (2026年10月16日)
  10. 日本未発売の3つ折りスマホからEV、巨大な「欧州風」研究拠点まで――Huawei深セン・東莞拠点を歩く (2026年10月15日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー