Appleの「iPhone SE」ではない機種でも、Touch ID(指紋認証機能)を利用できるようにしてほしい。2024年はコロナ感染対策に伴う行動制限などが実施されていないが、それでもマスク慣れしてしている。外出時にマスクをしながら「iPhone 15 Pro Max」でFace ID(顔認証機能)を使うと、喉から手が出るほどTouch IDが欲しくなる。
そこで、Touch IDとFace IDの違いをおさらいしつつ、iPhone SE以外のiPhoneにTouch IDが搭載されるのかを考えたい。
Touch IDを初めて搭載した機種は2013年発売の「iPhone 5s」。それ以降の機種でもTouch IDの採用は続いたが、2017年に「iPhone 8」と同時発表となった「iPhone X」ではディスプレイの全画面化に伴い、ホームボタンとTouch IDが廃止され、代わりに顔認証システムのFace IDが採用された。これ以降、iPhone SEシリーズを除き、iPhoneにTouch IDは搭載されていない。
Face IDは写真や動画の撮影に使うインカメラとは別に設けられた「TrueDepthカメラ」で認証する。メーカーや機種によってはインカメラで認証を行う機種も市場に存在するが、立体的に顔を捉えない仕組み(いわゆる2D)だと、顔写真で突破されるリスクがある。一方、Face IDはTrueDepthカメラで顔の「深度マップ」と「赤外線イメージ」を作成し、そのデータを登録済みのデータと照合。これにより本人かどうかを判断する。
顔や指で認証を行う生体認証は、2024年現在、多くのスマートフォンに実装されている機能の1つだ。セキュリティの観点からあった方がいい機能だし、今後も必ず使いたいのだが、Face IDにおいてはマスク問題がしっかりと解消していない感がある。
iOS 15.4以降を搭載したiPhone 12以降の機種ではFace IDの設定項目に「マスク着用時Face ID」という項目が用意されており、マスクを着けたままでも認証できるが、マスクの着用位置が高すぎたり、目元に近すぎたりすると、Face IDでのロック解除ができない場合がある。
iPhoneとの通信範囲内にあり、かつロックを解除した状態で、手首に装着したApple Watchがあれば、「Apple Watchでロック解除」を行えるが、Appleが指定する要件を全て満たす必要がある上、Apple Watchを所有しない人にとっては有効な手段ではない。
Touch IDならマスクの有無を問わず認証できるし、机上に置いたiPhoneのロックを解除するためだけに、TrueDepthカメラをのぞき込んだり、手に取ったりする必要もない。
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