Xiaomi 14Tシリーズでもう1つ注目したいのが、AIの活用だ。Xiaomi自身のAI機能として、翻訳機能を搭載。翻訳アプリは、画面を2つに分割し、自分と相手それぞれに翻訳した言語を表示することができる。発表会で試した実機では、日本語もサポートしていた。日本で発売されれば、これらがすぐに利用できるというわけだ。
翻訳機能はアプリで直接呼び出せるだけでなく、電話やZoomなどのビデオ会議アプリ上で起動させることもできるという。対面での翻訳や文字の翻訳だけなら以前からGoogle翻訳などの選択肢もあったが、スマホのシステム上に組み込まれているのが大きな違いだ。それによって、翻訳機能の活用の幅が広がっている。
ボイスレコーダーが文字起こしに対応したのも、大きなトピックだ。スマホでの文字起こしは、GoogleのPixelシリーズが先行しており、サムスン電子も「Galaxy S24」シリーズで採用した「Galaxy AI」でこれに追随した。一方で、こうした機能を備える端末はまだ少ない。iPhoneもiOS 18で文字起こしに対応したが、現状では言語が英語に限定されている。
これに対し、Xiaomiのボイスレコーダーは日本語も含む幅広い言語をサポートしており、テキスト化した文章に翻訳をかけるといったこともできた。ハンズオンで試した限りでは、日本語の精度もそれなりに高く、実用性がありそうだと感じた。Pixelシリーズのようなリアルタイムの文字起こしではない点が残念だが、初登場でいきなり日本語に対応している点は評価できる。
こうしたXiaomiのAIとは別に、Googleとの協業も推し進めている。これによって新たに搭載されることになったのが、「かこって検索」だ。かこって検索も、ボイスレコーダーの文字起こしと同様、現状ではGoogle純正のPixelと、サムスン電子のGalaxyシリーズに限定されていた。ここに3社目として、Xiaomiが加わる格好だ。さらに、Geminiアプリも内蔵する。
Googleは、AndroidにGeminiを組み込んでいき、スマホのAI対応を進める方針。自社のPixelにとどまらず、サムスン電子やモトローラとの協力体制をアピールしている。例えば、かこって検索はサムスンと共同で開発し、PixelとGalaxyに先行搭載した経緯がある。これが、Xiaomiのスマホにも広がる格好だ。Xiaomi側の視点では、自社とGoogleの両面でAI対応を強化した形になる。
ただし、現状では既に存在するGoogleのAIを、そのままXiaomi 14Tシリーズに横展開しただけのようにも見えた。サムスン電子がGoogleとの協業でかこって検索を先行搭載したように、Xiaomiならではの取り組みがあれば、差別化にもつながる。その意味では、以前にも増していかにGoogleとの協力関係を深めていくかが重要になっているといえそうだ。Xiaomiの今後の取り組みにも期待したい。
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