日本郵政と日本郵便はニュースリリースで、「あなたとあの人を結びちょっとしあわせにする」をコンセプトに、「お客さまと大切な人との 結び付きを高め、おトクや便利だけではない、郵便局ならではの新しいポイントを届けたい」と、ゆうゆうポイントの価値を説明しており、杉崎氏は「ゆうゆうポイントでお客さまの体験価値を高めていきたい」としている。
体験価値の向上に向けて、2社は2023年10月に郵便局のサービスをいつでもどこでも簡単に利用できるようにと、郵便局アプリをリリース。その後1年間で300万ダウンロードを突破した。さらに、郵便サービスの利用に必要だった会員IDのゆうびんIDをゆうIDに改名し、会員ID数は2024年10月時点で1300万を突破した。ゆうゆうポイントはこれに続くものとなる。
「150年以上、手紙や郵送で大切な人とお客さまを結ぶお手伝いをしてきた」とアピールする日本郵便と日本郵政。石井氏によれば、その思いはゆうゆうポイントでも変わらず、「お客さま同士の結び付きやつながりも生んでいきたい。ちょっとした幸せを感じてもらえるポイントとなることを目指している」という。
両社はニュースリリースでも会見でも「つながり」を意識したワードを強調している。石井氏は「まだ郵便局へいらしたことのない人というより、既に郵便局を利用している人」を主なターゲットにしているという。
その理由は両社が2024年9月に実施したWebアンケートに隠れている。両社が郵便局での独自ポイントと聞いてどう思うかを、全国の10〜60代以上の3024人に聞いたところ、「とても期待できる」「期待できる」と答えたのは全体のうちの32.3%にとどまった。
一方、同じ質問でも郵便局に月2回以上来局する人のうち47.6%、カタログ通販目的で来局する人のうち64.4%が独自ポイントへの期待を示した他、月1回ゆうパックで荷物を発送する人/受け取る人のうち67.1%/45.1%が期待を示した。
つまり、郵便局へ来局したり、郵便局のサービスを利用したりする人のうちの半数前後はゆうゆうポイントに興味を持っている、ということになる。「多くの場所で使える共通ポイントと違い、ゆうゆうポイントは使える場所が少ない」(石井氏)のも、先の回答を見れば納得がいく。
家族とポイントをシェアできる機能もユーザー同士の結び付きやつながりを意識した機能といえる。例えば、「ゆうゆうポイントと交換したい商品があるのにポイントが足りない……」という場面で、この家族シェアの機能を利用できる。
他にも下記のキャンペーンを通じて、ゆうゆうポイントを獲得できる。
ちなみに、ゆうゆうポイントユーザーが2025年3月末までに獲得できるポイント数の想定は「月に1〜2回来局して郵便局アプリにログインしたり、家族でポイントをシェアしたりすれば、抽選によって変動はあるものの、およそ210〜2440ポイント」(石井氏)となる。
このように、ぱっと見では万人受けを狙うサービスではないようだが、両社はこの点をどう考えているのだろうか。石井氏は「独自にお客さまとの接点を持ち、独自ポイントを採択している企業が増えている」としつつも、「ゆうゆうポイントだけでは来局につながらないはず。例えば、郵便局のサービスと地域の施設が関連した上で、ゆうゆうポイントがあれば(付与があれば)いいのではないか」と、今後の構想を簡潔に述べた。
さらに、「郵便局へいらっしゃる人全員にゆうゆうポイントを使ってもらうことを最初の目標とし、サービス開始後の初動(反応)を見極めながら、今後の計画を練りたい」とした。
なお、日本郵政グループのゆうちょ銀行では「ゆうちょPayポイント」を提供しているが、石井氏は「こちらとの連携、交換を含めて検討事項だと捉えており、これについて現時点で予定としてお伝えできることはないが、可能な限り連携を強めたい」と述べた。
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