Y!mobileとUQ mobileがシニアに人気の理由 スマホ利用動向の調査で分かった意外な結果(1/2 ページ)

» 2025年02月13日 10時00分 公開
[石井徹,ITmedia]

 MMD研究所が1月に発表した「シニアのスマートフォンの利用に関する調査」によれば、60〜79歳のモバイル端末所有率は95.9%に達し、そのうちスマートフォンをメインで利用している割合が93.5%を占めることが分かった。高齢層でもスマートフォンが“当たり前の通信手段”として根付いている様子がうかがえる。

MMD研究所 MMD研究所はシニアのスマホ利用に関する調査を発表した
MMD研究所 シニアのモバイル所有率は95.9%。うち93.5%がスマホだ

シニア層で際立つAndroid選好傾向

 同調査では、シニア層におけるスマホOSの内訳は、Androidが64.8%、iPhoneが28.8%だった。これは同研究所が2024年9月に発表した「全年齢層(18〜69歳)でのOSシェア」と比べて大きな違いがある。18〜69歳ではiPhone 49.6%、Android 50.1%と拮抗していたのに対し、シニア層ではAndroidが約65%を占める。

 シリーズ別では「AQUOS」が最も多く、「iPhone SE」「Xperia」「Galaxy」が上位に挙がった。従来よりも「国内メーカー重視」の傾向は薄まりつつあるようだ。

MMD研究所 シリーズ別ではAQUOSが最も多かった

ソフトバンク/auよりもY!mobile/UQ mobileが人気

 メイン利用の通信会社を尋ねたところ、「docomo(28.7%)」「Y!mobile(13.9%)」「UQ mobile(11.6%)」という順になった。MMD研究所が2024年9月に実施した全世代を対象にした調査では、3大キャリアのメインブランドが上位に入っていた。この調査ではサブブランドが上位に食い込んでいるのは注目に値する点だ。

MMD研究所 Y!mobileやUQ mobileのような店舗があるサブブランドが強い傾向にある

 MMD研究所の吉本浩司所長によると、「通信業界全体を見渡すと、メインブランドのシェアが低下する中、サブブランドは伸び続けている。Y!mobileやUQ mobileは店舗網が充実している上に、比較的安価な料金プランと高い認知度がシニア層のニーズに合致しているのではないか」という分析がある。今回の調査からは、実際にサブブランドの契約時に家電量販店を利用するケースが多いことも分かったという。

MMD研究所 キャリアショップで購入する人が半数を占める

データ容量は「月10GB以下」が約8割

 データ利用量に関する設問では、「月10GB以下」を使っている人がシニア層の約8割を占めていた。高容量プランを必要としない人が多い一方、「家族でデータ容量を分け合う」契約形態を選ぶ例も目立つという。

MMD研究所 データ利用量は月10GB以下で8割を占める

 スマートフォンでよく利用する機能は、メッセージの送受信(73.2%)、インターネット検索(68.2%)、通話(66.1%)が上位に来ている。写真・動画撮影も64.2%と高く、ニュース閲覧(63.1%)、LINEアプリ内での通話(57.8%)、地図やナビゲーション(51.6%)も主要な機能として挙げられた。

MMD研究所 主な利用用途はメッセージの送受信だった

 吉本所長は、写真や動画の撮影機能について「シニア層はカメラの習得が早く、比較的スムーズに使いこなす人が多い。カメラに興味を持ちやすい傾向もある」という。また一方で、地図アプリなどの“たまにしか使わないアプリ”では操作を忘れがちになることがあり、画面の立体表示や回転に戸惑うケースが多いと指摘している。こうした「不定期にしか使わない機能」に対しては、別のサポート手段も必要になりそうだ。

サポートは家族からのアドバイスや店頭での個別説明に頼る

 調査では、契約や普段の利用で他者のサポートを受けたシニアが51.4%に上ることが分かった。そのうち契約時のみのサポートが59.3%を占める一方、40.7%は日常的な利用でもサポートを必要としている。

MMD研究所 半数が何らかのサポートを受けたことがあり、そのうち4割は契約以外でのサポートを受けていた

 各キャリアが提供する「スマホ教室」や自治体のICT講習なども、シニア向けサポートの選択肢となっている。ただし、実際の利用は限定的で、多くは家族からの日常的なアドバイスや店頭での個別説明に頼っているのが実情だ。

MMD研究所 サポートを受けたい用途の1位は「ポイントをためること」だった

 特に不安が強いのがセキュリティ面だ。ID・パスワード管理の難しさに加え、スマートフォンを介した詐欺被害への懸念も根強い。多くのシニアは家族や店舗スタッフに相談しながら、セキュリティ設定や不審なメッセージへの対処法を学んでいる。「周囲のサポートを上手に活用しながら使いこなす」というのが、シニアのスマホ利用における特徴的な姿勢といえる。

MMD研究所 怪しいメッセージを受け取った経験があるシニアは3割程度
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