nubia Z70 Ultraはクセこそあるが、高いカメラ性能、UDC(アンダーディスプレイカメラ)を採用したディスプレイ、板のような角ばったデザインで、フラグシップスマートフォンの中でも存在感を示している。
特にUDCと35mm画角のメインカメラは他社ではあまり見られず、同社のスマートフォンを選ぶ上で特徴的な存在。今作では課題だった画面性能の向上に加え、可変絞りとシャッターボタンというカメラ周りのアップデート、フラグシッププロセッサによる高い性能も立派な付加価値だ。
何よりも売りは価格の安さだ。日本向けモデルは12万2800円からの価格設定で、最上位構成の特別版となるスターレイナイト(通称:ゴッホ版)も14万9800円の設定。他社の同等クラスの商品は20万円に迫る価格なので、Nubiaらしいコストパフォーマンスの高さが魅力だ。
実際、フラグシップのSnapdragon 8 Eliteを採用するスマートフォンとしてはかなり安価な設定だ。先行予約特典で5000円値引きのクーポンを配布するなど、コスト面を大きくアピールしている。
一方で、nubia Z70 Ultraの惜しい点として、どうしてもギーク向けの印象は否めない。おサイフケータイに非対応であったり、ソフトウェアには若干のチューニング不足を感じたりする場面もあった。筆者は、シャッター音が強制される仕様も気になったが、Nubiaはソフトウェアアップデートを定期的に行ってユーザーの声に応えられるよう改善するとしている。
Nubiaは、REDMAGICシリーズ同様にオンライン販売を中心としてオープンマーケットでの日本展開を模索している。Nubiaが売りのコスパを生かせる販売方法なので相性もいい。日本では値引き規制の関係で、いわゆる「一括1円」のような売り方がなくなったことで、製品価格に敏感な利用者が増えたようにも感じる。近年はあまり販売されなかった「コストパフォーマンスの高いハイエンドスマートフォン」に注目が集まることも納得できる。
そのような環境だからこそ、コストパフォーマンス重視のNubiaのスマートフォンは、安価かつ高性能な機種を求める層からの期待値は高い。ゲーミングではないジャンルのハイエンドスマートフォンがどのように受け入れられるのか。折りたたみスマホをはじめ、多方面に注力するNubiaの日本市場の展開にも注目したい。
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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