金融/決済事業からなる「フィンテックセグメント」は、楽天銀行や楽天カードを中心に堅調に推移した。売上収益は前年同期比で15.6%増の2160億3,600万円、Non-GAAP営業利益は前年同期比で21.7%増の438億8900万円だった。
楽天カードのショッピング取扱高は6.3兆円、楽天銀行の単体口座数は1683万口座、楽天証券の総合口座数は1234万口座になるなど、全体的に好調に推移しているという。
楽天カードは取扱高が順調に伸びた。一方で、金利上昇による金融費用が増加したことなどを受けて利益は減少している。
「楽天ペイ」「楽天キャッシュ」「楽天Edy」「楽天ポイント」を提供する楽天ペイメントでは、取扱高が拡大。Non-GAAP営業利益は、黒字化した前年同期からさらに133.2%増となる19億円まで伸張した。2025年夏からは、楽天ペイアプリ内で保険商品を提供する予定で、新たな収益源として期待しているという。
楽天証券は継続的に増益基調だ。一方で、昨今話題の「証券口座の乗っ取り」に関する言及はなかった。
楽天グループの祖業である「楽天市場」を含む「インターネットセグメント」は、売上収益が前年同期比で6.9%増の3054億7,800万円、Non-GAAP営業利益は前年同期比で25.8%増の131億7900万円だった。
楽天市場の流通(取引)総額は、前年同期比で3.0%増の1.4兆円で、旅行代理業の楽天トラベルは、コロナ禍前の2019年比で48.1%増になるなど、順調な拡大となった。
楽天市場では楽天モバイルとの連携強化により、楽天モバイル契約者の流通額が非契約者よりも47.5%高くなったという。アクティブユーザーの割合も増加しており、エコシステムへの貢献がさらに進んだ。
注力分野であるAIでは、AIを活用した「セマンティック検索」が楽天市場の成長を押し上げ、その効果は10.7%に達したという。
AI分野では、楽天独自の言語モデル「RAKUTEN AI 2.0 8x7B」「RAKUTEN AI 2.0 MINI 1.5B」をオープンモデルとして公開した。オープンβ公開中の「Rakuten AI Assistant」では、撮影された写真に対してAIが回答する「Snap & Ask」機能を提供するなど、機能の改善を続け、近いうちに正式リリースを発表するという。
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