ASUS JAPANは5月30日、ハイエンドSIMフリーAndroidスマートフォン「Zenfone 12 Ultra」を発売した。直販価格はメインメモリが12GB、ストレージが256GBのモデルが14万9800円、上位モデルの16GB/512GBモデルが16万9800円だ。直販の他、ECサイトや量販店でも購入できる。
Zenfone 12 Ultraは、大きな6.78型ディスプレイや高性能なSoCのSnapdragon 8 Eliteを搭載しており、手ブレに強いジンバル搭載5000万画素カメラも備える。また、新たにAIを活用したカメラや音声認識、文章要約などの機能が加わった。これらの特徴を検証していく。
まずはZenfone 12 Ultraのデザインやインタフェース周りから見ていこう。ディスプレイには、6.78型 のフルHD+(1080×2400ピクセル)、可変リフレッシュレート1〜120Hz(ゲーム時は144Hz設定に対応)、屋外での最大輝度2500ニトに対応したパネルを採用している。外観は軽やかなカラーとデザインだが、画面はハイエンドらしく色鮮やかでスムーズに動作する。屋外でのカメラ撮影でも明るく見やすい。
背面は丸みを帯びたマットガラスとミニマルなデザインにより、光沢の美しさや質感のよさを引き立たせている。100%再生アルミニウムのフレームにより、質感に加えて手のひらへの収まりもよい。同社のゲーミングスマホ「ROG Phone 9」に近いサイズとスペックながらも、上品かつ軽やかカラーとデザインでうまく差別化できている。
日本市場に適したおサイフケータイ(FeliCa)やIP65/IP68の防水・防塵(じん)性能を備える。マイナンバーカードのマイナポータルアプリでの読み込みにも対応する。通勤時を含めて普段使いしやすいSIMフリーAndroidのハイエンド端末は少ないだけにうれしい仕様だ。
3.5mmイヤフォン端子搭載は、Zenfone 12 Ultraの隠れた特徴といえる。近年のハイエンドスマートフォンのほとんどが非搭載だが、動画や曲の音質にこだわりたい人、ゲーム中の音の遅延を抑えたい人、通話やビデオ通話に使いたい人にとっては今でも便利な機能だ。現行の対応ハイエンドモデルは高価格帯のXperiaぐらいしかなく、10万円台前半で購入できるZenfone 12 Ultraは貴重な存在といえる。
内蔵ステレオスピーカーの音量や品質は、ハイエンドでは平均的な品質だと感じた。音にこだわらなければ、普段使いや動画視聴、ゲームで不満を感じることは少ない。
一方で、USB Type-C端子は前モデルと同じく、USB 2.0かつ画面の外部出力には非対応だった。10万円を超えるハイエンドとしては残念な仕様だ。ただ、Zenfone 12 UltraはASUSのWindows用アプリ「GlideX」と連携したミラーリング操作やファイル転送に対応している。ビジネス用途なら、この機能が映像出力の代わりとして活用できるだろう。
SIMカード周りはnanoSIM×2、またはnanoSIM+eSIMの組み合わせでのデュアルSIM利用に対応する。eSIM×2の組み合わせはできないので、契約とSIMの組み合わせには注意しよう。ネットワーク周りではWi-Fi 7にも対応し、対応ルーターを導入すれば、より高速かつ安定した通信環境を期待できる。
充電周りはバッテリーが大容量5500mAhで、HyperCharge 65W充電に対応している。100WのUSB PD充電器で充電したところ、およそ20%までが最大65W充電に対応していた。充電時間は20分で50%、30分で75%と速い。以後は安全のため充電が遅くなるものの、それでも55分でフル充電できた。
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