―― 将来的にコンパクトモデルが復活する可能性はありますか?
阿部氏 現状、詳細にお伝えできることはありません。ただ、コンパクトモデルのニーズが日本市場で非常に多いというフィードバックは本社にもしています。弊社としては可能な限り、ユーザー様に満足していただける製品を提供していきたい。今のところは出していませんが、今後どうなるかは分からないというところです。
―― 最後に、読者へのメッセージをお願いします。
阿部氏 SIMフリーで展開していますが、日本国内で使うにあたって、あらゆるところで高水準にローカライズされた端末として販売できていると思います。
また、新モデルだけでなく、過去モデルのサポートも大切にしています。例えばROG Phone 8には最近、Zenfone 12 Ultraに搭載されているAI機能の一部を追加しました。新製品を発売したから旧モデルをおろそかにすることはありません。今後も日本市場に魅力的な製品を投入できればと考えています。
Zenfone 12 Ultraの取材で最も驚いたのは、阿部氏が12年以上もIOT(相互接続性試験)対応を続けてきたという話だった。キャリアから販売していないのに、である。毎回、発売前にKDDIと楽天モバイルの認証を通し、水曜日の午後には必ず掲載されるよう調整している。この地道な作業を「ユーザーの不安感をなくすため」と語る姿勢に、ASUSの日本市場への本気度を感じた。
ただ、これだけ手間をかけて日本仕様を作り込んでいるのに、なぜキャリア展開しないのか。おサイフケータイ、防水・防塵、n79対応、3.5mmイヤフォンジャック。まさに「全部入り」だ。他社が早期投入のために機能を削る中、ASUSは3〜4カ月遅れてでも全機能を搭載する。
「膨大なリソースが必要」というキャリア展開への課題は理解できる。しかし、ここまで日本市場に寄り添った製品開発をしているメーカーは少ない。SIMフリー市場は確実に拡大しているが、キャリアショップで実機を触れないのは、やはりハードルが高い。
コンパクトモデルについても含みを持たせた回答だった。「今のところは出していませんが、今後どうなるかは分からない」(阿部氏)。世界トレンドと日本市場のはざまで、ASUSがどんな答えを出すのか。その判断が、日本のスマートフォン市場に新しい選択肢をもたらすことを期待したい。
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