夏商戦という絶好の販売機会を逃したことによる経営へのインパクトはあったのだろうか。これに対し大島氏は、「今回のこの不具合対応におけるわれわれの経営インパクトというのは、既に8月の頭に出している経営報告の方に盛り込んでおり、エンタテインメント・テクノロジー&サービス分野(ET&S分野)にかかる影響は軽微である」との見解を示した。
一方、X上では「ソニーは大丈夫なのか」「スマホ事業を辞めてしまうのではないか」といった不安が広がっている。これに対し、大島氏は一切迷うことなく明確に答えた。
「今回起こした品質の不具合は、われわれも非常に重く受け止めている。一方で、通信の技術はスマホだけにとどまらず、ソニー全体における重要な技術と捉えており、それの基点がこのスマートフォンのビジネスだと考えている。引き続き、われわれはスマートフォンのビジネスに真摯(しんし)に取り組んでいきたい」
この力強い言葉は、スマートフォンを単体のビジネスとしてではなく、ソニーグループの未来を支える基幹技術に位置付けていることを改めて示したものだ。カメラやオーディオなどの要素技術だけを届けるのではなく、通信技術の中核を担うXperia事業が不可欠であるという経営判断を明確にした形だ。
今回の説明会は、製品の不具合という企業にとって最も避けたい事態を起点としながらも、ソニーが顧客と真摯に向き合い、技術的な問題だけでなく、組織としての課題にも正面から取り組む覚悟を示す場となった。具体的な原因内容や再発防止策を提示したことは、信頼回復への長く険しい道のりの第一歩といえる。
しかし、一度失った信頼を取り戻すのは容易ではない。説明会で語られた品質管理体制の強化が、言葉通りに機能し、今後の製品でその成果が一般ユーザーに証明されるのかは時間を要するだろう。Xperiaが掲げる「好きを極めたい人々に、想像を超えたエクスペリエンスを」というビジョンを再び体現するためにも、ここから先が正念場といえる。
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