中国Xiaomiは9月25日、北京国家会議センターでイベントを開催し、新型スマートフォン「Xiaomi 17」シリーズを発表した。創業者の雷軍(レイ・ジュン)氏による年次講演を実施した。SNSでは、見た目などについて話題になっている。
Xiaomi 17シリーズは「Xiaomi 17」「Xiaomi 17 Pro」「Xiaomi 17 Pro Max」の3機種で構成される。価格はXiaomi 17が4499元(約9万4000円)から、Proが4999元(約10万4000円)から、Pro Maxが5999元(約12万6000円)からとなる。発売は9月27日午前10時から公式サイトや店舗で開始される。
Xiaomi 17は軽量かつ高性能を両立した小型フラグシップ機として登場した。重量は191g、厚さは8.06mmと持ちやすさを追求した設計で、大きく丸みを帯びた角の「スーパーエリプティカルデザイン」が特徴だ。画面比率を19.6:9に調整し、パンチホールを排した上部デザインにより、自然で一体感のある視覚体験を実現した。背面にはマットガラスを採用し、軽やかな質感を演出している。
ディスプレイには新開発のM10パネルと「SuperRED」発光素材を採用。ベゼル幅を1.18mmに抑えた。明るさは最大3500ニトに達し、屋外でも視認性が高い。
カメラはライカのSummiluxシステムを搭載。メインは5000万画素のLight Fusion 950センサーで、開口F1.67、光学式手ブレ補正を備える。望遠は60mm相当の浮動レンズ構造で、最短10cmの近接撮影にも対応する。さらに新しい「マスターポートレートモード」により、自然な肌色や髪の質感を忠実に再現できるとする。
バッテリーには7000mAhの「Xiaomi Surge Battery」を採用した。6.3型機種としては異例の大容量で、エネルギー密度894Wh/Lを実現。100W有線充電、50Wワイヤレス充電に対応する。通信性能も強化され、210以上の国と地域で安定した接続を可能にするほか、USB 3.2 Gen 1ポートで大容量データ転送にも対応した。
Xiaomi 17 ProとXiaomi 17 Pro Maxは、8mmの薄型ボディーに大容量バッテリーを収めたプレミアムモデルだ。カラーはブラック、ホワイト、パープル、グリーンの4色を用意する。
最大の特徴は「Dynamic Back Display」と呼ばれる背面ディスプレイだ。時計やAI壁紙、通知表示、メモ、さらには仮想ペットまで表示できる。ユーザーは写真を加工して壁紙にしたり、アニメーション付きの動的表示を楽しめる。第3世代の仮想ペット「Pangda(パンダ)」は、利用シーンに応じた動きを見せ、ジェスチャー操作にも反応する。
背面ディスプレイには通知表示のほか、スケジュールやQRコードの固定表示も可能。さらに自撮り時はメインカメラを利用でき、美顔補正や多彩なフィルターで高品質なセルフィー撮影を実現する。専用ケースを接続するとゲーム機風に変化する「ハンドヘルドコンソールモード」も備えている。
カメラはライカSummiluxシステムを基盤に、プロ級の映像表現を可能にするという。Proは倒立型の浮動望遠レンズを採用し、20cmの望遠マクロに対応。Pro Maxは5倍ペリスコープ望遠レンズを搭載し、1/2インチセンサーとF2.6の大口径で光取り込みを従来比30%増加させた。
バッテリーには「Surge Battery」を採用。容量はProが6300mAh、Pro Maxが7500mAhと大容量を実現しながら、厚さは8mmに抑えた。有線100W、ワイヤレス50W、PPS規格にも対応する。さらにUWB対応のスマートカーキー機能を備え、車とのシームレスな連携を可能にする。
今回の発表ではデザインや命名規則についても注目が集まった。テクノロジー系YouTuberのMarques Brownlee氏は、Xiaomiが「Xiaomi 15」から一気に「17」へ飛ばした点を指摘し、AppleのiPhoneシリーズに倣った印象を示した。Xiaomiは公式発表でAppleを意識したかどうかには触れていないが、1つ数字を飛ばす命名は分かりづらい。
デザイン面ではXiaomiが「Appleを完全に丸パクリせず」独自の発想を取り入れたことから注目を集めている。Appleが「iPhone 17 Pro」「iPhone 17 Pro Max」でカメラ部分を拡大するのに対し、Xiaomiはカメラ周辺をディスプレイ化するという独自の発想だ。SNS「X」上では肯定的な反応もある一方で、「名前もデザインもAppleを参考にし、少し手を加えて優位性を示そうとしている」と批判的な意見も目立つ。
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