JR東日本は11月11日、長年にわたりSuicaの象徴として親しまれてきたイメージキャラクター「Suicaのペンギン」を、2026年末をもって卒業させると発表した。ペンギンは2001年のSuicaサービス開始以来、駅構内や広告、自動販売機などで幅広く活躍してきた存在であり、その突然の“卒業”発表は、多くのファンに驚きをもたらした。
同社によると、今回の決定は、Suicaが今後迎える新たな進化に合わせたものだという。2026年秋に予定されるモバイルSuicaアプリへのコード決済機能の導入を節目とし、Suicaブランドが新たな段階に進むことを象徴する目的で、キャラクターを刷新するという。JR東日本は、「Suicaが新しい次元へ進化する」としており、ペンギンの後任となる新キャラクターの登場については、現時点では明かされていない。
発表直後からSNSでは、「驚きました」「卒業しちゃうのかぁ」「引退しないで」といった驚きや惜しむ声が相次いだ。なかには、「Suicaのペンギンの卒業をみんなの力で食い止めよう。一人一人の力は微力かもしれないが、それが集まれば何かが起こるはずだ」として、卒業の撤回を求める署名活動も始まっている。
署名サイトには、「電車に乗る時、ふと目にする駅の広告や自販機のステッカーのペンギンに癒やされてきた」「SuicaのペンギンはJRとしての新しいビジョンを生み出してきた存在。経営陣には今回の判断を考え直してほしい」といったコメントも寄せられており、キャラクターへの愛着の深さを物語っている。
フリマサービス「メルカリ」では、「Suicaのペンギン 壁かけカレンダー」「シークレットBOXマグネット」など、ペンギン関連のアイテムが早くも多数出品されている。さらに、7月に東京駅で開催された「Suicaの夏まつり」で配布された記念品「Suicaのペンギン エコバッグ」も人気を集め、販売価格が上昇する動きも見られる。ファンの間では、「卒業を前に記念グッズを集めたい」という声も上がっており、長年の愛着が経済的な動きにも反映されているようだ。
Suicaのペンギンを生み出したのは、イラストレーターの坂崎千春さんだ。フリーで活動を始めた当初から描いていたペンギンのデザインをもとに、JR東日本がSuicaのキャラクターとして採用した。無表情ながらどこか愛嬌があり、温かみを感じさせる独特の存在感が、多くの人の心をつかんだ。Suica誕生から20年以上を経てもなお、その親しみやすさは衰えていない。
JR東日本は今後、モバイルSuicaを中心に、より多様な決済・生活サービスの展開を進めるとしている。特に2026年秋に導入される予定のコード決済機能は、Suica残高とは異なる新たな決済手段をアプリ内に組み込み、高額決済などにも対応することを目指すものだ。これにより、交通だけでなく、買い物や日常生活全般で使いやすいプラットフォームへと発展させる方針だという。
モバイルSuicaアプリ(iOS向け)のイメージ。JR東日本は、2001年のサービス開始時からSuicaの顔として親しまれてきた「Suicaのペンギン」を2026年末で卒業させると発表した。2026年秋にモバイルSuicaへコード決済機能を追加し、新たな段階へ進化することを象徴するため、キャラクターを交代するという(出典:Suicaでやってはいけないこと4選の記事)こうした新たなサービス展開を背景に、ペンギンの役目を一区切りとする今回の判断は、「進化するSuica」の象徴的な出来事といえる。しかし、20年以上にわたって人々の生活に寄り添ってきたキャラクターだけに、惜しむ声が後を絶たない。
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