楽天グループは2025年11月13日に開催した決算会見で、楽天モバイルの契約数が11月7日時点で950万回線に達したと発表した。MNOとMVNOを合わせた合計で、同年7月末時点の908万回線(8月8日の決算会見で発表)から、約3カ月半で40万回線以上増加したことになる。契約数の増加は、B2C(個人向け)の獲得推進に加え、B2B(法人向け)の契約進捗も要因となっている。同社は、2025年内に全契約回線数で1000万回線を達成することを次の目標としている。
楽天モバイルの全契約回線数(MNO、MVNE、MVNO合計)が、11月7日時点で950万回線を突破した。契約数の増加は、B2C(個人向け)の獲得推進に加え、B2B(法人向け)の契約進捗も要因となっている。同社は、2025年内に全契約回線数で1000万回線を達成することを次の目標としている会見に登壇した楽天グループ代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、「950万回線はあくまで通過点」と述べ、年末までに1000万回線の達成を目標に掲げた。楽天モバイルは、2025年10月からデータ使い放題と動画配信サービス「U-NEXT」をセットにした新料金プラン「Rakuten最強U-NEXT」を提供しており、これを契機にARPU(1ユーザーあたりの売上)の向上とアップセルを狙う方針を示していた。
【訂正:11月14日18時38分】初出時、三木谷浩史氏の発言を「910万回線はあくまで通過点」と引用しておりましたが、正しくは「950万回線はあくまで通過点」です。お詫びして訂正いたします
一方で、他の大手キャリアが相次いで料金プランや各種手数料の値上げに踏み切る中、楽天モバイルにはそうした動きが見られなかった。その背景には、モバイル事業が楽天経済圏全体の成長を支える「起点」として機能しているという経営判断がある。
料金を値上げしてモバイルユーザーが離脱すれば、結果的に楽天経済圏全体の取引が減少しかねない。モバイル事業単体では赤字が続く局面もあるが、経済圏全体で見ればユーザー維持こそが収益拡大の鍵となる――楽天グループはそう判断したと思われる。
三木谷氏は8月8日の決算説明会で「値段は総合的な判断をしながら考えていくが、今のところ(値上げは)考えていない」と述べ、競争が激化する通信市場においても“値上げなき成長”を目指す姿勢を強調していた。
一方で、この「値上げしない」方針は、他社には必ずしも好意的に受け止められなかった。ソフトバンクの宮川潤一社長は11月5日の決算説明会で、地方でのインフラ整備負担に言及し、「アンフェアだ」と厳しく批判した。楽天モバイルが自前ネットワークの整備を進める一方で、依然としてローミングに頼る部分も多い状況下で、値上げを否定する姿勢を示したことが、かつてプラチナバンド取得を含め自社でネットワークを築き上げてきたソフトバンク側には“複雑な印象”を与えたようだ。
厳しい目を向けられる楽天モバイルだが、グループの総合力を武器に、料金を据え置いたまま成長を目指す姿勢を崩していない。
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