“NHK受信料”の督促に温度差 警察には「丁寧な周知」も、国民には「法的措置」(3/3 ページ)

» 2025年12月14日 12時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
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「公平」の定義が揺らいでいる

 そもそも、放送法第64条に基づく受信料制度は、公共放送を支える根幹であり、公平負担の原則は尊重されるべきだが、その「公平」の定義が揺らいでいる。

 身内である公的機関の組織的な未払いには「丁寧な周知」で済ませ、捕捉困難なカーナビには「自己申告の義務」を盾にし、一般家庭には不透明な基準で「法的措置」をちらつかせる。

 特に、警察車両の未払いが見逃されてきた事実は重い。彼らは「受信料特別対策センター」から督促を受け、民事手続きを迫られただろうか? おそらく、事務的な修正手続きだけで済まされたはずだ。

 NHKが掲げる「未収対策の強化」が、単に立場の弱い国民への締め付け強化を意味するのであれば、公共放送への不信感は募るばかりだ。

 まずは、警察や自治体を含めた公的セクターの全数調査を行い、身ぎれいにしてからでなければ、国民に対して“公平負担”や“法的措置”を口にするのはいかがなものかと思う。

 「受信料で成り立つ公共放送NHK」の立場や方針、その在り方を貫くならば、受信料督促の手法も、誰に対しても公平で、かつガラス張りの透明性が求められるはずだ。ブラックボックスの中に逃げ込むような回答では、真の理解は決して得られないだろう。

NHK 受信料 公平性 回収 督促 NHKは未収増を防ぐため、ネット広告やインフラ企業連携などの営業活動に加え、さらなる対策強化が必要だと判断している。だが、「受信料で成り立つ公共放送」の在り方を貫くならば、督促手法もブラックボックスに逃げ込まず、誰に対しても公平かつ透明性を徹底すべきではないか。不透明な回答では、真の理解は決して得られないだろう(出典:NHKニュースリリース「支払督促による民事手続きを強化します」)
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