静かでコンパクトなバリューPCがデュアルコアに――エプソンダイレクト「Endeavor AT960」(2/2 ページ)

» 2007年07月05日 17時30分 公開
[兼子忍,ITmedia]
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抜群の省スペース性を備えた筐体はメンテナンス性にも工夫あり

 横幅99ミリ×奥行き383ミリという本機の筐体は、一般的な省スペースPCのサイズと比べてもコンパクトで、なるべく作業領域を広く使いたいオフィスの机にもすっきりと設置できる。

 筐体内部へのアクセスするには、まずコの字型のカバーを取り外し、さらにライザーカードと一体化された補強用のフレームを取り外す必要がある。ドライブベイは、5インチ、3.5インチのオープンベイ、HDD専用ベイが1基ずつが搭載される。3つのベイは筐体上段の前方にある可動式のステーに搭載されており、ドライブを着脱する際は、このステー全体を外部にスイングアウトさせることで、楽に作業を行える仕組みだ。

 拡張スロットはライザーカード上に2基のPCIスロットが搭載される。ここには幅108ミリ、長さ178ミリまでのカードを装着することが可能だ。PCI Expressスロットは搭載されていないため、グラフィックス機能を強化するといった根本的なパワーアップには対応しないが、ビジネス用PCとして利用するなら問題はないだろう。

 メモリスロットは2基があるが、本機はいずれのメモリ容量を選んだ場合でもシングルチャネルで実装されるため、うち1基を拡張用としてユーザーが自由に利用できる。なお、電源ユニットの容量は250ワットになっていたが、(アップグレードパスが限定的なせいもあって)容量不足に陥る心配はない。

メモリスロットは2本。このほかライザーカードによって2基のPCIスロットが用意される(写真=左)。電源ユニットはDELTA ELECTRONICS製で容量は250ワット(写真=右)

ビジネスクライアントとして快適に使える性能

 最後に、ベンチマークテストの結果から本機の性能をチェックする。テストに用いた評価機は、OSにWindows Vista Businessを採用し、Core 2 Duo E6320(1.86GHz)と1Gバイトのメモリを搭載していた。ストレージデバイスは40GバイトのHDDとDVD-ROMドライブという構成で、価格は9万8700円となった。

 この構成は企業に大量導入される最新のビジネス用クライアントPCに典型的なスペックと思っていいだろう。なお、計測したテストは、PCMark05、3DMark06、Final Fantasy XI オフィシャルベンチマークソフトの3タイトルである。なお、右にWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアも掲載した。

 まずはPCMark05の結果から見ていこう。CPU、Memory、HDDの各項目は、10万円前後の低価格マシンとしてはかなり優秀といえる結果だ。HDDスコアは、40Gバイトという最小容量のHDDを搭載しながら4130というスコアを得ているが、これは7200rpmの高速ドライブを採用したことが好結果を導き出した要因だろう。

 一方、3DMark06のスコアは良好とは言いがたい結果だ。もちろん、統合チップセット採用機としては低い値ではなく、FFベンチでもゲームプレイは十分に可能という結果が出ているものの、3Dゲームを楽しむには解像度や画質などに妥協する必要があるだろう。

PCMark05(画面=左)、3DMark06(画面=中央)、FFベンチ(画面=右)

 本機を試用して気付いたことに、極めて優秀な静粛性が挙げられる。エプソンダイレクトの製品紹介ページには、アイドリング時の騒音がささやき声以下の約23デシベルと記載されているが、実際に使っていてファンノイズが聞こえてくることはなく、隣に置いた原稿執筆用PCの電源を落としてやっと、かすかにファンの風切り音が聞こえてくる程度だった。グラフィックス性能こそ高くはないものの、その点を除けばパフォーマンスに不足を感じる部分はなく、深夜に仕事をすることが多いユーザーには特におすすめできる1台といえる。

 なお、評価機のパーツ構成をベースに、CPUをCeleron 420(1.6GHz)にダウングレードすれば、Windows Vista Business搭載機としては破格の7万3500円まで引き下げることができる。ビジネス専用クライアントPCの大量導入を考える企業の担当者にも、ぜひ注目してほしい製品だ。

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