本機のチップセットは、NVIDIA C51M+MCP51を核とするdv6205/CTをほぼ引き継ぐ。BTOで各パーツを選べるのも同様で、CPUはデュアルコアのTurion 64 X2 TL-60(2.0GHz/L2キャッシュ1Mバイト)/同TL-56(1.8GHz/L2キャッシュ1Mバイト)と、シングルコアのSempron 3500+(1.8GHz/L2キャッシュ256Kバイト)、メインメモリはPC2-5300対応のDDR2 SDRAMを2Gバイト/1Gバイト/512Mバイト、HDDは5400rpmの160Gバイト/120Gバイト/80Gバイト(Serial ATA)が選択肢に用意されている。
dv6205/CTではグラフィックスチップとしてNVIDIA GeForce GO 7200を選択できたのだが、本機ではチップセット内蔵のGeForce Go 6150のみとなった。光学ドライブはDVD-ROM/CD-RWコンボとDVD+R DL対応のDVDスーパーマルチから、無線LANはIEEE802.11g/bまたはIEEE802.11a/g/b+Bluetooth 2.0+EDRから指定できる。OSはWindows Vista Home BasicかWindows Vista Home Premiumのいずれかで、Office Personal 2007の追加も可能だ。
インタフェースは必要十分な内容で、ExpressCardスロットが右側面から左側面に、FAXモデムが左側面から右側面に移動しているものの、構成は従来機と変わらない。日本以外では対応機器が販売されている、専用ポートExpansion Port 3が宝の持ち腐れ状態なのも同様だ。
左右の両側面にUSB 2.0端子が配置され、とくに右側面は2基とUSBマウスを使用した場合でももう1基のUSB 2.0ポートが使えるため使い勝手はよい。しかし、両側面のポートがキーボード面よりも一段へこんでおり、底面側にあるメモリーカードスロットにアクセスしづらく、またカードの装着具合を目で確認しづらかった(一部のポートはキーボード面にアイコンが印刷されてはいるのだが)。

2基のメモリスロットやHDDベイには底面から簡単にアクセスできる(写真=左)。吸気は底面からなされ、排気は左背面から行われる。バッテリー容量は10.8ボルト47ワットアワーで、約2.5時間の駆動に対応する。大容量バッテリーは用意されていない。ACアダプターは重量が約410グラム、サイズが47(幅)×106(奥行き)×28.5(高さ)ミリだ| 評価機の主なスペック | |
|---|---|
| CPU | Turion 64 X2 TL-56(1.8GHz) |
| メモリ | 1Gバイト(512Mバイト×2/PC2-5300) |
| HDD | 120Gバイト(2.5インチ/5400rpm) |
| 光学ドライブ | DVDスーパーマルチ |
| グラフィックス | チップセット内蔵(GeForce Go 6150) |
| OS | Windows Vista Home Premium |
気になるパフォーマンスについてだが、デュアルコアCPUのTurion 64 X2 TL-56(1.8GHz)搭載モデルを使って検証してみた。Windowsエクスペリエンスインデックスの値は、グラフィックス以外が4.5以上と低価格ノートPCとしては良好なスコアを記録している。グラフィックスのスコアは3.0にとどまるが、FFベンチの結果を見ると低解像度なら十分動作する値が出ている。このことからも高いスペックを要求する3Dゲームやグラフィックスアプリケーションが主な用途でない場合は、とくに不自由することはないだろう。
試しに評価機の構成でシステムに長時間負荷をかけ続けたところ、かなり高負荷になった時にだけ「ファーン」というファンのうなりのような音が聞こえたが、通常は生活騒音の中ではほとんど気にならない程度の騒音レベルにとどまっている。発熱面は左右のパームレストで若干の温度差が見られるが、手の触れる部分は40度を超えなかった。
dv2405/CTは、評価機の構成で9万2400円(キャンペーン適用ずみ)と抜群のコストパフォーマンスを誇る。単に値段だけ見れば、同社のHP G5000 Notebook PCなどさらに安価なモデルも存在するが、デザイン性に優れる“ZEN-Design”の採用とBTOで仕様を選べるのは本機ならではのアドバンテージだ。液晶ディスプレイや入力環境には多少の妥協を必要とするが、なるべく費用を抑えながら汎用性が高い小ぶりなノートPCを入手したいならば、うってつけの製品と言えるだろう。
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