日本でトップを狙うならコンシューマーのさらなる成長が不可欠新モデルの投入を示唆

» 2007年09月05日 18時45分 公開
[田中宏昌,ITmedia]

グローバルで組織改編と多数の新製品を投入

デル代表取締役社長のジム・メリット氏

 代表取締役社長のジム・メリット(Jim Merritt)氏は冒頭、米国で8月30日に発表された同社第2四半期暫定業績(148億ドルの売り上げ、8億9600万ドルの営業利益)を報告した。そして「大変アクティブな四半期だった。わたしがデルに入社してから約9年たつが、これだけの新しいエグゼクティブが入り、同時にグローバルでこれだけの組織変革を行った記憶はない」と振り返った。

 具体的には、各市場に向けて新製品を多数投入したこと、ユーザーに直接販売を行う小売店とのパートナーシップを結んだこと、戦略的な企業買収を行ったことの3点を挙げた。まず新製品については、大企業向けにLatitudeシリーズ、中小企業向けに新ブランドのVostroシリーズ、そしてコンシューマー市場には新Inspiron/XPSシリーズと、エキサイティングな製品をワールドワイドで投入できたとした。


 そして、これまでのダイレクトモデルとは違ったアプローチで展開すべく、米国ではウォールマート、英国ではカーフォン・ウェアハウス、日本ではビックカメラと提携し、量販店の店頭でデル製品の販売を開始した。メリット氏は「これまで直販に縁がなかった人にアプローチするには有効だが、ダイレクトモデルは堅持している」と強調した。

 もう1つのアプローチとしては、「SilverBack Technologies」「ZING Systems」「ASAP Software」を買収したことを挙げた。これらの新製品投入、小売りとのパートナーシップ、企業買収をグローバルに展開することで、変革を継続していることをアピールした。

日本でNo.1になるためにはコンシューマー市場での成功が不可欠

日本のPC市場シェア(2007年第2四半期)。デルは第2位に入った

 日本を含むアジア太平洋地域では「過去最高の売り上げを達成した第2四半期だった」とし、「売り上げと利益のバランスを取りつつ成長できたのが重要だ」と述べた。特に日本市場では年初から新規の個人ユーザーを15万人、法人ユーザーは13万件を獲得できたという。「市場シェアで第2位のポジションを獲得できた。+4ポイントのシェアを上乗せできて重要な第2四半期だった。右肩上がりのグラフを維持しているのはデルだけだ」と指摘。「ここ3四半期を振り返ってみると、日本のPC市場はあまり伸びておらず、その中でデルだけが成長しているのは、競合他社のシェアを獲得しているから。非常に競争が激しい市場であり、今後もマーケットの統合が進むと考えている」との考えを示した。

 各市場別の事業展開としては、すでに市場シェア第1位となっている大企業向けではカスタムサービスやソリューションを継続的に提供し、過去最高の市場シェアを実現した中小企業向けでは、新ブランドのVostroシリーズをフックにして質の高いサービスを提供していくとした。

 一方、市場シェア第5位に甘んじているコンシューマー市場では、「革新的な新製品の継続投入、ビックカメラとの提携を推進していく」と述べ、今後の新モデル投入を示唆した。「この分野は競争が厳しく、手強いライバルばかりだが、大きな潜在力がある」とし、「日本市場でNo.1になるためには特に強化していかなければならない分野であり、パートナーとともに歩んでいきたい」とまとめた。

日本における営業体制(写真=左)。Vostroシリーズの投入によって、大企業/中小企業/コンシューマーという明確な区分ができた。日本市場での事業展開を要約した資料で、中央が中小企業向け、右側がコンシューマー市場向けだ。デルの日本における売り上げのうち、コンシューマー市場は10〜15%しか占めておらず、市場シェアNo.1になるためにはさらなる躍進が欠かせないという

関連キーワード

ビックカメラ | ノートPC | Windows Vista


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月04日 更新
  1. 超大画面ディスプレイを持ち運べるスマートグラス「VITURE Beast」を2週間使って分かったこと (2026年06月02日)
  2. NVIDIAが新型プロセッサ「RTX Spark」でWindows PCに“再挑戦” 搭載PCは2026年秋に登場 (2026年06月01日)
  3. メインストリームPCにも最新技術を――Ultraのない「Coreプロセッサ(シリーズ3)」搭載AI PCは2カ月弱で70超に (2026年06月03日)
  4. デル、最新AMD Ryzen AI/Ryzen 100シリーズ搭載のCopilot+ PC「Dell S」などを発売 発表会レポート (2026年06月03日)
  5. 今度はゲームボーイ風! 7型液晶と操作ボタン付きドッキングステーション「Wokyis G7」を見てきた (2026年06月03日)
  6. ついに日本でも販売を開始したAIグラス「Ray-Ban Meta(Gen 2)」実機レビュー 完成度は高いが課題も (2026年05月29日)
  7. E Ink搭載で色が変わりアニメーションも! 「BMW iX3 Flow Edition」やシャープなど電子ペーパー各社が集結 (2026年06月03日)
  8. Windows 11のレスポンス改善が徐々に浸透中 最新アップデートの実力とMicrosoft AI戦略の転換点 (2026年06月01日)
  9. 「最初は高いが、かえって安い」顧客満足度1位を支えるモノ作り VAIOの糸岡社長が語る“値上げ”の真意と次なる挑戦 (2026年06月03日)
  10. 「DGX Station for Windows」搭載PCってどんな感じ? NVIDIAの展示会場で見てきた (2026年06月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー