最高峰のレッドか、定番のシルバーか――「Let'snote R」08年春モデル検証:熟成を重ねたコンパクトモバイル(3/3 ページ)

» 2008年02月07日 11時45分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]
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モバイル機として優秀な性能、Turbo Memoryの効果も顕著

 さて、店頭販売モデルとプロミネントレッドモデルのパフォーマンスはどの程度のものか、ベンチマークテストの結果を見てみよう。Windows Vistaでの利用が前提ならば店頭販売モデルであっても2Gバイトに増量して使うユーザーが多いと考え、店頭販売モデルに関してはメモリを2Gバイトに増量した場合も計測している。

 余談だが、春モデルではプリインストールOSにWindows Vista Businessを採用していても、Windows Vista BusinessのリカバリDVD-ROMに加えて、Windows XP Professional(SP2)のダウングレードDVD-ROMが付属するようになった(前モデルはWindows XPダウングレードサービスの申し込みが必要だった)。

店頭販売モデル(写真=左)とプロミネントレッドモデル(写真=右)におけるWindowsエクスペリエンスインデックスのスコア。後者は全体的にスコアが上がっている

左から試作機におけるPCMark05、3DMark06(1024×768ドット)、FFベンチの結果

 まずPCMark05の結果だが、意外なほどに大きな差がついた。プロミネントレッドモデルではCPUクロックの差で全体的にスコアが向上しているほか、Intel Turbo Memoryの効果でHDD関連のスコアが飛び抜けてよくなっており、トータルではその差が大きく影響しているようだ。

 メモリ容量の差はグラフィックス性能への影響が一番大きいようだ。Intel GM965 Expressのグラフィックスコア(Intel GMA X3100)がグラフィックスメモリとしてメインメモリを利用するためだろう。そのメモリ容量の影響は、3DMark06になるとより顕著に表れている。しかし、メモリ容量を同じにするとプロミネントレッドモデルと店頭販売モデル(2Gバイト)の差はほとんどない。グラフィックスコアの能力やシステムバス(533MHz)がボトルネックとなっていてCPU性能の違いだけではスコアが向上しないのだと思われる。

 FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3ではCPU性能の差も少しスコアに反映されている。どちらのモデルもゲーム向けのパフォーマンスは持たないものの、ビジネス向けのモバイル機としてはかなり優秀な性能といえる。

背面のバッテリー脇に冷却ファンが用意されている

 発熱と静音性についても触れておこう。本シリーズは前回モデルから、Santa Rosaの導入とWindows Vistaへの対応によって増加した発熱に対処するためにファンレスを断念したことで話題になったが、今回も引き続き背面に小さなファンを搭載している。

 ファンの騒音はメーカーとしても気にしているようで、Let'snoteには「ファン制御ユーティリティ」が用意されており、「標準」「高速(放熱優先)」「低速(静音優先)」と3種類の設定が選択可能だ。「標準」であっても動作音は非常に静粛で、エアコンを稼働させている部屋ではほとんど分からないくらい、よっぽど静かな部屋でなければ気になることはないと思われる。ただし、CPUに高い負荷がかかった状態ではファンの回転数が上がり、風切り音がそれなりにする点は覚えておきたい。

 一連のベンチマークテストを含めて2時間ほど連続使用している時に放射温度計で本体の底面温度を計測してみたところ、最も温度が高いところで55度(室温約25度)だった。底面は発熱しやすいので、膝の上に本体を置いて長時間作業することは控えたいが、試用中にキーボード側にその熱が伝わってきて不快になるようなことはなかった。

 ソフトのインストールを連続して行うなど頻繁にHDDアクセスが起こる作業を続けるとパームレスト部分に少し熱を帯びてくるが、通常のアプリケーションの動作中にパームレスト部の発熱が気になることはなさそうだ。

「ファン制御ユーティリティ」は3段階の設定が可能(写真=左)。パナソニック独自の「省電力設定ユーティリティ」は、細かな省電力設定が行える(写真=中央、右)

天板への「愛」が選択のカギとなる

 2008年春モデルはマイナーアップデートであり、2002年の初代機(CF-R1RCXR)から1キロ以下の重量(960グラム)を実現し、それ以降も同じコンセプトで開発が続けられてきたモデルだけに完成度は高く、欠点らしい欠点はない。モバイル機としてスキのない仕上がりで、このサイズのままやれることはもうほとんどないのではないかと思えるくらいだ。あとはユーザーが画面サイズとキーボードの制約に納得できるかどうかだけだろう。

 逆に完成されすぎていておもしろみがないともいえるが、それだけにジェットブラック+プレミアム天板を採用した新モデルは新鮮に映るし、大容量HDDや高速なパフォーマンスも大きな魅力で、プレミアムモデルと名乗るに値する魅力を十分に備えている。

 ただし、店頭販売モデルの実売価格はOfficeなしの構成で20万円前後、プレミアムエディションの直販価格は26万8000円(ミッドナイトブルーとスパークリングブラックは27万5870円)、在庫切れのプロミネントレッドモデルに至っては32万6000円とコストパフォーマンスは高いほうではない。

 特にプレミアムエディションは、Intel Turbo Memory、大容量HDD、盗難時の保証も追加した「3年特別保証プレミアムサービス」と「レッツノートクリニック プレミアムサービス」の無償提供といった付加価値はあるものの、店頭販売モデルとの価格差はそれなりにある。店頭販売モデルでもモバイルノートPCとして必要なパフォーマンスは確保していることから、ブラックで統一されたボディと特別仕様の天板カラーにどれだけの魅力を感じるかどうかが選択の分かれ目になるだろう。

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