　VGN-FW70DBを使っていて気になったのは、起動してからある程度の時間がたつとキーボードとパームレストの左半分（直下にはHDDを内蔵している）がかなり発熱することだ。夏場などで室温が高い環境では、テレビを見た後に操作をしようとすると、ホカホカのパームレストにじっとりと手が汗ばんできて不快な思いをするかもしれない。

　ただし、これは排気ファンから発生する騒音を最小限に抑えようとした結果らしく、ベンチマークテストなどでかなりシステムに負荷をかけた場合でも、低いうなりのような音がかすかに聞こえる程度で、生活音の中で排気音が耳につくということは一切なかった。テレビを見たり、DVD-VideoやBD-Videoを再生しているときならば、稼働音は気にならないといってよいだろう。

　VAIO type F（FW）の実売価格は、VGN-FW70DBが24万円前後、VGN-FW50Bが22万円前後、VGN-FW30Bが18万円前後で、廉価なモデルが高いシェアを占めるノートPC市場においては少々値が張るように思われるかもしれない。

　しかし、パフォーマンスに優れた最新のプラットフォームを採用し、小型テレビといっても差し障りがない16.4型ワイド液晶ディスプレイを備え、さらに上位2モデルにBlu-ray Discドライブを装備、最上位のVGN-FW70DBに至っては地デジダブルチューナーまで搭載していることを考えると、むしろ価格設定は良心的ともいえる。

　特にVGN-FW70DBは、映像視聴時の静音性が保たれているうえ、高機能なテレビ視聴・録画機能と専用リモコンも付加されていることから、単に「テレビも見られるノートPC」ではなく、「高性能なノートPCとしても使えるテレビ＆レコーダー」という視点でも十分通用する。

　1台のコンパクトなPCでWebブラウジングからテレビ視聴まですべてを済ませてしまいたい1人暮らしの人や、リビングのテレビやレコーダーを占有せずに高度なテレビ録画機能が利用できるPCを探している人、そしてホームネットワークに接続されたDLNA機器のコンテンツをまとめて高品位に楽しめるマシンが欲しい人に、オススメしたい製品だ。


VAIO type F（FZ） VGN-FW70DBの仕様
実売価格	24万円前後
CPU	Core 2 Duo P8400（2.26GHz）
BIOS	AMI
チップセット	Intel PM45 Express
2次キャッシュ	3Mバイト
メインメモリ標準／最大	PC2-6400 2Gバイト（2Gバイト×1）／4Gバイト
メモリスロット（空き）	SO-DIMM×2（1）
ハードディスク	Serial ATA 250Gバイト（5400rpm）
光学ドライブ	BD-R/RE書き込み対応Blu-ray Discドライブ
液晶ディスプレイ（解像度）	16.4型ワイドクリアブラック液晶（1600×900ドット）
グラフィックスチップ	ATI Mobility Radeon HD 3470
グラフィックスメモリ	256Mバイト
サウンド	Intel HDオーディオ
光デジタル音声出力	－
スピーカー	ステレオ
マイク	モノラル
USB	USB 2.0×3（右側面：3）
IEEE1394	4ピン×1（左側面）
ビデオ出力	D-Sub 15ピン×1（左側面）、HDMI×1（左側面）
サウンド入出力	ヘッドフォン、マイク
有線LAN	1000BASE-T／100BASE-TX／10BASE-T
無線LAN	IEEE802.11a/b/g/n（11nはドラフト準拠）
Bluetooth	Bluetooth 2.0＋EDR
FAXモデム	V.92／V.90
Webカメラ	約131万画素
FeliCaポート	搭載
カードスロット	ExpressCard/34×1、メモリースティックPRO×1、SDメモリーカード（SDHC対応）×1
キーボード	日本語88キー（キーピッチ約19ミリ、キーストローク約2ミリ）
ポインティングデバイス	インテリジェントタッチパッド
外形寸法（幅×奥行き×高さ）	384×261×29～42ミリ
重量	約3.1キロ
バッテリー駆動時間	約3時間
搭載OS	Windows Vista Home Premium（SP1）
主な付属品	電源ケーブル、ACアダプタ、マニュアル、VAIO用マルチリモコン、アンテナ変換ケーブル、B-CASカード

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