“どこでもPC”の「Lui」が利用シーンを拡大――「VALUESTAR R Luiモデル」2009年PC春モデル

» 2009年01月13日 11時00分 公開
[ITmedia]

Luiを組み込んだモデルのほかに、カードとリモーターセットモデルを用意

VR930/SN

 NECのホームネットワークソリューション「Lui」は、サーバボードを搭載する「VALUESTAR R Luiモデルマイクロタワータイプ」もしくは「VALUESTAR R Luiモデルスリムタワータイプ」と、PCリモーターと呼ばれる2種類の小型シンクライアント端末で構成される。本体側のラインアップは、マイクロタワータイプが「VR930/SN」と「VR330/SH」、スリムタワータイプが「VR900/SM」「VR700/SG」「VR500/SG」の計5モデル。いずれも1月29日より発売される。

 VALUESTAR R Luiモデルマイクロタワータイプは、高い拡張性を備えたVALUESTAR Mベースの本体にPCリモータ−サーバボードを組み込み、PCオンデマンド機能を実現した製品だ。VR930/SNは、CPUにCore 2 Quad Q8200s(2.33GHz)を搭載し、4Gバイトメモリ(DDR2)やRAID 5構成の2TバイトHDD(利用可能領域は1.5Tバイト)を装備、光学ドライブとしてBlu-ray Discドライブ(DVDスーパーマルチ機能付き)を備える。一方、下位のVR330/SHは、Core 2 Duo E7400(2.8GHz)、2Gバイトメモリ(DDR2)、500GバイトHDD、DVDスーパーマルチドライブという構成だ。今回、上位のVR930/SNではOSにWindows Vista Ultimate(SP1)を採用し、リモートデスクトップ方式によるPCリモータ−からの接続に対応したのが目を引く。なお、PCリモーターサーバボードを実装する関係でPCIスロットが1基占有されてはいるが、PCI Express x1とPCIスロットに空きがあるほか、5インチベイが2基、3.5インチベイが5基用意されている。また、豊富な拡張性とともにフル稼働時30デシベル以下の静音設計もVALUESTAR Mゆずりだ。

「VL770/SG」

 一方、3モデルが用意されるVALUESTAR R Luiモデルスリムタワータイプは、Luiの機能を除けばベースの「VALUESTAR L」シリーズにほぼ準じたスペックとなる。最上位のVR900/SMが、CPUにCore 2 Quad Q8200s(2.33GHz)、4Gバイトメモリ(DDR2)、1TバイトHDD、Blu-ray Discドライブ(DVDスーパーマルチ機能付き)、ミドルレンジのVR700/SGがCore 2 Quad Q8200s(2.33GHz)、2Gバイトメモリ(DDR2)、500GバイトHDD、DVDスーパーマルチドライブ、最下位のVR500/SGがCore 2 Duo E7400(2.8GHz)、2Gバイトメモリ(DDR2)、500GバイトHDD、DVDスーパーマルチドライブとなる。なお、液晶ディスプレイは、上位2機種に22型ワイド液晶、最下位モデルに19型ワイド液晶が付属する。OSはLuiモデルマイクロタワータイプと同様に、最上位のVR900/SMがWindows Vista Ultimate(SP1)、下位にはVista Home Premium(SP1)が採用される。主なスペックと価格は下の表を参照してほしい。

PCリモーターの利用シーンを拡大するセットモデルを提供

ノートタイプの「Lui RN」

 NECの2009年PC春モデルでは、LuiのPCリモーターをさらに活用できるさまざまな機能強化もポイントだ。まず、ノートタイプの「Lui RN」がHSDPA(対応機種はイー・モバイルのD01NX/D01NXII)に対応したほか、「Lui RN」とポケットタイプ「Lui RP」の両モデルで、リモートスクリーン方式だけでなく低速回線用のリモートデスクトップ方式もサポートした。また細かいところではノートタイプのスティックの感度調整(5段階)や、ネットワーク設定の容易なAOSSへの対応なども見られる。

 さらにNEC製PC以外でもPCリモーターを利用できるソリューションとして、新たにサーバーボードセットモデルの提供を1月29日から開始する。これはWindows Vista Home Premium/Business/Ultimate(SP1、)およびWindows XP Professional/Home Edition(SP3)を搭載したPCに専用サーバボードを組み込むことでPCリモーターからの接続に対応するもの。Lui RNおよびLui RPとリモートスクリーン用サーバボードのセットという形で提供される。ちなみにこの専用ボードは、NECのLuiモデルに実装されるロープロファイル版とは異なり、フルハイトのPCIカードとなっており、ノートタイプとの組み合わせが「RN700/2CS」、ポケットタイプとの組み合わせが「RP500/2CS」で、予想実売価格はRN700/2CSが11万円前後、RP500/2CSが7万5000円前後の見込み。

 一方、NEC製PCの専用モデルとして、ロープロファイルPCIカードとのセットモデルもラインアップされる。ノートタイプと組み合わせた「RN700/2CL」が11万5000円前後、ポケットタイプと組み合わせた「RP500/2CL」が8万円前後の見込みだ。こちらはロープロファイルPCIカードの2枚組(分離不可)で、VALUESTAR L(2008年4月出荷以降のスタンダードモデル)、VALUESTAR G タイプL(2008年4月出荷以降のVALUESTAR G タイプLスタンダードモデル)、Mate タイプMA(2008年5月以降のWindows XPモデルで、グラフィックスカードまたはDVIポートを備えたもの)でのみ動作確認が取られている。

 サーバボードとのセットモデルは、いずれも1月29日に発売される予定だ。

ポケットタイプ「Lui RP」と新登場のサーバボードセット(写真=左)。NEC製のLuiモデルに搭載されるロープロファイル版のサーバボード(写真=左)と、汎用のフルハイト版ボード(写真=右)

VALUESTAR R Luiシリーズの概要(その1)
シリーズ名 モデル名 タイプ 従来比較 CPU メモリ HDD OS 実売
VALUESTAR R VR900/SM セパレート型 追加モデル Core 2 Quad Q8200s(2.33GHz) 4096MB(DDR2) 1TB Ultimate(SP1) 28万円前後
VR700/SG セパレート型 アーキテクチャ変更 Core 2 Quad Q8200s(2.33GHz) 2048MB(DDR2) 500GB Home Premium(SP1) 22万円前後
VR500/SG セパレート型 アーキテクチャ変更 Core 2 Duo E7400(2.8GHz) 2048MB(DDR2) 500GB Home Premium(SP1) 18万円前後
VR930/SN セパレート型 アーキテクチャ変更 Core 2 Quad Q8200s(2.33GHz) 4096MB(DDR2) 2TB(500GB×4) Ultimate(SP1) 25万円前後
VR330/SH セパレート型 アーキテクチャ変更 Core 2 Duo E7400(2.8GHz) 2048MB(DDR2) 500GB Home Premium(SP1) 13万円前後
VALUESTAR R Luiシリーズの概要(その2)
VALUESTAR R VR900/SM 22型ワイド 1680×1050 Intel G45 BD-R/RE対応Blu-ray Disc チップセット内蔵 約9.5キロ
VR700/SG 22型ワイド 1680×1050 Intel G45 2層対応DVDスーパーマルチ チップセット内蔵 約9.2キロ
VR500/SG 19型ワイド 1440×900 Intel G45 2層対応DVDスーパーマルチ チップセット内蔵 約9.2キロ
VR930/SN Intel G45 BD-R/RE対応Blu-ray Disc チップセット内蔵 約13キロ
VR330/SH Intel G45 2層対応DVDスーパーマルチ チップセット内蔵 約11キロ

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