3月3日から、ドイツのハノーバーで、CeBIT 2009が開催される。IDFやISSCC、PDCといった技術者や開発者向けのイベントというより、バイヤーやユーザー、そのユーザーに向けて情報を発信している報道関係が多く集まるため、その性格は1月に米国で行われる「International CES」や6月に台湾で行われる「COMPUTEX TAIPEI」に近い。
ただし、コンシューマー向け全般がメインだったCESや、PCパーツやキワモノや“おねえさん”に注目してしまうCOMPUTEX TAIPEI(おっと、これは、PC USER的視点に偏った意見だな)とは異なり、CeBITでは、クライアントやコンシューマー製品だけでない、サーバ、医療、金融、そして、将来を見据えた先端技術などなど、とにかく、ありとあらゆるIT関連産業が集う。
最近では、インテルやAMD、NVIDIAなどがその年にリリースを予定している未発表のプラットフォームサンプルを世界で初めて登場させるイベントとして、自作PCユーザーからも注目されるようになってきた。2009年に入って、インテルやAMDから2010年までをカバーするロードマップがアップデートされているが、CeBIT 2009では2009年や2010年を先取りするプラットフォームが姿を見せるのだろうか。
また、「ポストNetbook」ともいえる2009年は、次世代となる低価格ノートPCやデスクトップPCの動向にも注目したい。すでにMSIが、台湾で新世代のノートPCを関係者に披露しているが、そこで登場した製品をCeBITで大々的に発表すると、台湾では説明されているという。ほかにも、ASUSやAcerがCeBITでイベントを予定しており、そこで新製品が紹介される可能性は高い。
以上、未発表マザーボードや、ポストNetbookを担う新世代のAtom搭載PCに期待がかかるCeBIT 2009の情報を、本日からPC USERの特集ページで紹介していく。
……というわけで、本来ならここで設営最中の会場を紹介するところだが、「訳」あってその風景はここで紹介できない(ま、またですかっ)。この記事は、CeBIT会場があるハノーバーのはるか160キロ手前、ICE(ドイツ自慢の高速鉄道)で1時間半も離れているハンブルクで書いている。
日本からCeBITを訪れる人には知られている話だが、ハノーバーは宿泊施設が数が限られており、CeBIT開催中はよほどの幸運と予算がないと(CeBIT期間中に普段の数倍に値段が跳ね上がる宿泊施設も多い)、会場近くに宿舎を確保できないといわれている。それゆえ、多くの来場者はハノーバーの周辺にある大都市(とはいっても、ICEで1時間から2時間の距離は離れている)でホテルを捜すことになる。
その時間と距離における感覚は「仙台に宿泊して東京の国際フォーラムに連日通勤する」に近い。ただ、その交通費を勘案しても、ICE通勤にしたほうが安上がりになるというのだから、ハノーバーの宿泊施設も強気だ。
連日の長距離通勤に記者の老体が耐えられるのか?というあたりにも注目しつつ、CeBITの特集に期待していただきたい。
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