デル、魂の1キロ切りモバイルノート――「Latitude E4200」を駆る薄くて軽く、しかも安い(3/3 ページ)

» 2009年03月27日 11時15分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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SSDの搭載で軽快な操作感を実現

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 今回使った評価機の基本スペックは、CPUがCore 2 Duo SU9400、メモリが2Gバイト(1Gバイト+1Gバイト)、データストレージが128GバイトSSDという構成だ。この構成で、各種テストを実施してみた。

 Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアは右の画像の通りで、チップセット内蔵グラフィックス機能のため、グラフィックス系で少し見劣りする。とはいえ、SSDの効果により、プライマリハードディスクで最高の「5.9」をマークしているのを筆頭に、Vistaを快適に利用するには十分なスコアだ。

 定番のベンチマークテストについては、結果を下記のグラフに示した。「PCMark05」の結果を見ると、HDDのテスト以外はCore 2 Duo SU9400とGS45チップセットを搭載したモバイルノートPCとして標準的なスコアで、やはりGS45内蔵グラフィックスがやや足を引っ張っている。一方、SSDを採用しているためHDDスコアは飛び抜けてよく、総合スコアも引き上げている。3D描画系のテストは、「3DMark06」と「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」のどちらも低調なスコアで、3Dゲームのプレイは辛い。

左から、PCMark05、3DMark06、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコア

CrystalDiskMark2.2のスコア

 SSDに関しては、もう少し詳しくパフォーマンスを確認するため、データストレージにおけるシーケンシャル/ランダムのリード/ライト性能を計測するソフト「CrystalDiskMark2.2」(ひよひよ氏作)も実行した。

 結果はシーケンシャルリードが87Mバイト/秒と平凡だが、シーケンシャルライトは70Mバイト/秒、ランダムライト4Kバイトも5.5Mバイト/秒とMLCタイプのSSDとしては、なかなか高速だった。

 実際の使用感もSSDならではの軽快さが感じられ、モバイルノートPCとしてはVistaのレスポンスもよい。BTOで選択できる64Gバイトの「ウルトラパフォーマンスSSD」を選択すれば、さらに高いパフォーマンスが得られるだろう。

発熱、騒音、スタミナに迫る

 モバイルノートPCの使用感を左右するボディの発熱と騒音、そしてバッテリー駆動時間についても調べてみた。

 まずは発熱だが、システムに高い負荷がかかった状態では、本体左側に少し熱を帯びてくる。気温22度の室内で一連のベンチマークテストを連続して実行した直後に、放射温度計で測定したボディの表面温度は、底面の左手前側が最も熱く、最大43.5度だった。表面の手が触れる部分では、キーボードの左側が高温で35〜37度、パームレスト左側は32〜35度、右側は左側よりもそれぞれ2〜3度低かった。今の季節は不快な印象はないが、夏場になると気になるかもしれない。

 暗騒音33dBの環境における動作音は、本体前面から5センチと近い距離での測定で43〜44dBだった。内蔵のファンはアイドル時に停止することもあるが、基本的には回っている様子で、負荷の状態によっても動作音は変化しなかった。特に静音性に優れているということはないが、通常の生活環境やオフィス内では動作音がうるさいほどでもない。

 バッテリー駆動時間のテストは、海人氏作の「Bbench 1.01」を利用して行った。4セルの軽量バッテリー(14.8ボルト/28ワットアワー)を装着し、「バランス」の電源設定(輝度40%)の状態で、10秒おきにキーボード押下、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11n)によるインターネット巡回(10サイト)を行う設定でテストしたところ、駆動時間は136分だった。本格的なモバイルには心もとないが、バッテリー容量を考えると妥当なところだろうか。前述の通り、バッテリーのオプションは充実しているので、持ち運びやすさを多少犠牲にすれば、長時間のバッテリー駆動も行える。

SSD搭載モバイルノートPCとして抜群のコストパフォーマンス

 2009年3月27日現在、デルの直販価格はCore 2 Duo SU9300、メモリ2Gバイト、SSD 64Gバイト、コンボドライブ、Windows XP Professional(SP3/Vista Businessダウングレード)という構成で14万9980円だ。実はほんの数日前までキャンペーン価格でもっと値下がりしていたのだが、現状では価格が少し戻っている。それでも、この価格は実に魅力的だ。ちなみに、ここからCPUをCore 2 Duo SU9400、SSDを128Gバイトにアップグレードしても17万6230円と18万円以下で手に入る。

 このコストパフォーマンスに加えて、最小1キロ弱の小型軽量ボディに豊富なバッテリーオプション、薄型のACアダプタを用意するなど携帯性は抜群で、キーボードのレベルも高い。さらにSSDの搭載により、ビジネス向けと割り切るならまったく不満のないパフォーマンスも備えている。デルが日本市場を意識して開発したというだけあって、1キロクラスのモバイルノートPCとして、実に魅力的な存在といえる。

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