マイクロソフトが5月20日に実施したWindows 7の記者説明会では、デバイス管理やリモート再生における機能強化にもスポットが当てられた。ここでは、5月7日に国内で一般公開された製品候補版(RC版)を用いて行われたデモの様子を中心に取り上げる。
デバイス管理の強化はWindows 7の大きな特徴だ。コントロールパネルの中に「デバイスとプリンター」という項目が設けられ、PCに接続されている外部デバイスを一元管理できるようになった。デバイスによっては実物の外観を模したメタデータによるアイコンが用意され、直感的に扱える。
各デバイスのアイコンをダブルクリックすると、詳細情報にアクセスするための「デバイスステージ」が表示されるのもポイントだ。デバイスステージに表示する内容はメーカーが独自に設計でき、設定メニューやアップデート情報、マニュアルへのリンクなど、選択したデバイスに関する操作がまとめて行える。
これにより、Windows 7ではデバイスの操作性を向上させているが、実際はメーカーがデバイスステージをどのように設計するかによって、使い勝手は左右される。例えば、同じジャンルの製品でも、メーカーによってデバイスステージの利便性が異なるという状況になりそうだ。
Windows 7では、映像や音声のコンテンツ再生・共有機能が進化した。対応メディアフォーマットを拡充したうえで、リモート再生の機能も強化している。リモート再生機能は、PC内のコンテンツをネットワーク経由でDLNA 1.5対応のデバイスに配信できるほか、Windows Mediaライブラリをインターネット経由で簡単に共有・再生可能な「リモートメディアストリーミング」機能がRC版で追加された。リモートメディアストリーミングはネットワークの帯域幅に合わせて、画質を下げて映像を配信する機能も持つ。
リモートメディアストリーミングについての詳細は、こちらの記事(これでXPと決別できる!?:Windows 7 RCの注目機能「XPモード」と「リモートメディアストリーミング」を試す)を参照してほしい。
なお、Windows 7のWindows Media Centerはデジタル放送の視聴・録画をサポートするが、リモート再生機能はDTCP-IPをサポートしないため、デジタル放送の録画データをWindows 7のリモート再生機能で配信するのは困難だ。同様に、リモートメディアストリーミングにおいても、特定のハードウェアに関連付けされたデジタル放送の録画データを配信することは難しい。まだWindows 7は製品版ではないが、日本の特殊なデジタル放送環境へのサポートも進めてほしいところだ。
そのほかにも説明会では、家庭内ネットワークに接続されたPCと手軽にファイル共有を行うための「ホームグループ」機能や、Windows Liveとの連携についてデモが行われた。これらは以前から公開されていた情報なので詳しい内容は割愛するが、同社コンシューマーWindows本部の藤本恭史本部長は、「こうした機能の連携により、Windows 7はネットワークへの接続がより簡単になり、さまざまな場所でメディアを共有でき、Windows Liveではさらにつながる世界が広がる」と語る。
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