インテルと内田洋行、「児童1人に1台のPC」活動を拡大実施──小学生の英語必修化と学習レベル向上に向け

» 2009年05月27日 16時13分 公開
[ITmedia]
photo 実証実験に用いる児童向けPC「インテル クラスメイトPC」

 インテルと内田洋行は5月27日、学校へのICT(情報通信技術)環境の普及に向け「児童1人に1台のPC」利活用促進のための新たな取り組みを開始すると発表した。

 この取り組みは、新学習指導要領により2011年に小学校5年、6年で必修化する英語(外国語活動)を対象に加え、2008年8月に千葉県の公立小学校2校で開始した第1弾実証実験の結果をふまえて拡大実施するもの。新たに東京都中央区立城東小学校の4年生から6年生(対象児童数24人)を対象校とし、児童1人に1台のPCを取り入れた授業の実証実験を行う。

 実験対象の城東小学校には、インテルが教育用途にリファレンスモデルとして開発した「インテル クラスメイトPC」(クラスメイトPC)を導入する。Atom N270(1.60GHz)とIntel 945 Expressチップセット、1024×600ドット表示に対応する8.9型タッチパネルディスプレイ、IEEE802.11b/g/n(nはドラフト準拠)の無線LANを搭載し、OSにWindows XPを採用する一般的なNetbookの仕様に似た小型ノートPCだが、ペン操作に対応する感応式タッチパネルや回転2軸ヒンジによるディスプレイ回転機構、長時間駆動できるバッテリー(7.2ボルト/32.56ワットアワー)、机上からの落下を想定した耐衝撃性、耐水キーボード、キャリーハンドル、Webカメラ(130万画素)など、児童が学習に使用するシーンを想定した機能を備える。学習教材には、初回実証実験で用いた国語と算数の学習ソフト「小学館デジタルドリルシステム」に加え、内田洋行が開発した英語学習ソフト「ATRCALL BRIX」も導入する。

photophotophoto 内蔵する学習ソフト「ATRCALL BRIX」と「小学館デジタルドリルシステム」

photo 左から内田洋行の柏原孝社長、インテルの吉田和正社長、内田洋行の大久保昇専務

 導入するPCのリプレースは、2008年の実証実験で得られた「5型のディスプレイでは小さい」という現場の声を反映したため。「当初はより小型の方が望ましいという考えから5型ディスプレイのPC(富士通「FMV-BIBLO LOOX U」ベース)を採用したが、いざ現場の声を聞くと少し違った。ここから小型サイズは維持しつつも8インチから12インチ程度の画面が有効であることが分かった」(インテルの吉田和正社長)。

 日本におけるICT教育の普及度はまだ低く、欧米諸国や韓国などと比べても教育現場に必要なインフラの整備も遅れている現状がある。ゆとり教育などと呼ばれた一時期も含め、数学や読解力などの習熟度が海外の児童に比べて下降傾向にあることも指摘されている。また、教育現場のICT化は企業の場合と同様に「入れたら終わり」ではなく、その運用管理や体制維持も必須となる。インテルはプラットフォーム全般の考察と展開を舵取りし、PCメーカーや関連各社に働きかけて教育現場のICT化を促進する考えだ。

 学校への機材納入やソリューション展開、IT化サポートに長期実績がある内田洋行は、英語学習ソフトの提供や普通教室での利用を想定したICT運用におけるサポート体勢の構築とともに、学校現場の意見を吸収し、フィードバックするパイプ役・アドバイザー的な役割も担う。

 2008年に改定が公示された新学習指導要領により、第1弾の実証実験当時からやや状況が変わり、40年ぶりとなる授業時間の増加や小学校高学年の英語必修化といった項目も盛り込まれた。2011年度の全面実施に向けて2009年度から一部で先行実施されており、今回の実証実験はこのこともふまえた新たな取り組みを導入する。

 「新学習指導要領の改定により40年ぶりに授業時間数が増えたこと、学校ICT環境整備事業の2009年度補正予算が2倍の4081億円となったこと。これは国民の中で子どもたちの学力に対する期待が大きくなっていることが背景にあると思う。学力の向上は、知識だけでなく考える力を身につけさせる必要がある。これには、単に授業時間数を増やすだけでなく、ICTを含めた最新の技術も利活用して行く必要があると考える。この分野において教育現場のサポートをさらに推進していきたい」(内田洋行の大久保昇専務)

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