AMDが立ち上げた新しいブランドの「AMD VISION」は、CPUやチップセット、無線LANモジュールといったハードウェアの構成を示すものではなく、ユーザーの利用目的に合った製品を訴求するために使われる。AMDの代表取締役社長を務めるダーク・マイヤー氏は、「これからのエンドユーザーには、コンポーネントブランドを伝えるのではなく、何ができるのかをアピールすることが重要だ。売り場にある製品にできることをユーザーに理解できるようにするのがVISIONブランドの目的だ」と説明している。
AMD VISIONでは「See」「Share」「Create」といった視点でユーザーの利用目的を定義している。Seeは動画や音楽、そしてゲームを快適に楽しみ、Shareでは、ほかのユーザーとのネットワークコミュニケーションを確保でき、Createでは、ユーザーの創造活動に十分応えることがそれぞれ要求されている。
これらの視点に基づいて、PCを使ってユーザーが何か出来るのかを、それぞれ「VISION」「VISION PREMIUM」「VISION ULTIMATE」といった3段階のレベルでユーザーに示すのがVISIONブランドの目的といえる。
VISIONロゴがつけられたPCでは、音楽や静止画、オンライン動画、DVD-Videoが快適に再生でき、メールとWebページを楽しめることが可能だ。PREMIUM VISIONでは、Ble-ray Discに収録されたHDコンテンツが快適に楽しめるほか、動画データを携帯プレイヤー用に、または音楽CDをMP3などにトランスコードしたり、ゲームが快適に楽しむことができる。最も上位に位置するULTIMATE VISIONでは、HD動画や音楽データの編集ができるほか、デジタル一眼レフカメラで撮影した高解像度画像のレタッチ、最新の3Dゲームの快適なプレイが可能になる。
ちなみに、今回発表されたTigrisプラットフォームとCongoプラットフォームを採用するノートPCでもVISIONブランドが適用されるが、それぞれのプラットフォームで「VISION」「VISION PREMIUM」「VISION ULTIMATE」に対応する最小構成が紹介されている。
なお、日本AMDでは、ユーザーの利用目的を意識したブランドとして「AMD HD Expreience」をすでに行っている。AMDが今回グローバルで展開するVISIONブランドとコンセプトが類似しているが、マイヤー氏はVISIONとAMD HD!エクスペリエンスの関係について「両方のブランドは競合しない」という考えを示している。
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