ASUSTeK Computer(ASUS)の「K50IN」は、15.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載した据え置き用ノートPCだ。9万9800円とリーズナブルな価格ながら、Core 2 Duoをはじめとした不満のない基本スペックと、Office Personal 2007をプリインストールした実用性に加えて、大画面のワイド液晶ディスプレイや高音質なステレオスピーカー、熱くなりにくいボディなど、エンターテインメント用途での快適さにまで配慮している。
ボディのサイズは370(幅)×256(奥行き)×31〜36(高さ)ミリ、重量は約2.65キロだ。モバイルに適さないサイズであることはいうまでもないが、据え置き用のノートPCとしては大きすぎず重すぎず、家庭内のさまざまな場所に移動しながら使うのに苦労しないサイズにまとまっている。このサイズのノートPCなのに専用キャリングケースが付属するのは、オマケ好きなASUSらしい。
デザインはシンプルだが、ボディの角に丸みを付けたり、前面を絞りこんだりして、実際より薄く見えるように工夫している。カラーはブラックで統一されており、天板およびパームレストにプリントされた細かなドット状のデザインパターンや光沢仕上げがさりげなくエレガントさを醸し出している。端子類をカバーで隠すほどの外観への注力は見られないものの、全体的に品よくまとまったデザインだ。
CPUには標準電圧版のCore 2 Duo P8700を採用する。動作クロックは2.53GHz、2次キャッシュは3Mバイト、FSBは1066MHz、TDPは25ワットといったスペックで、A4サイズ以上の据え置き用ノートPCの多くに採用されている定番CPUだ。
メインメモリはPC2-6400に対応し、標準で2Gバイトを搭載する。データストレージにはSerial ATA対応の2.5インチHDDを採用しており、容量は320Gバイトだ。メモリスロット2基のうち1基は空いているが、メモリスロットやHDDベイにアクセスするための小さなカバーなどは用意されていない。これらにアクセスするには、背面と底面のネジを外し、底面のカバー全体を取り外す必要がある。ユーザーによる内蔵パーツの増設や交換はメーカー保証対象外の行為になるので、このような設計であれば、メモリ容量は標準で4Gバイトにしてほしかったところだ。
チップセットにはNVIDIAのnForce MCP75Lを採用し、GPUには同じくNVIDIAのGeForce G102M(グラフィックスメモリ512Mバイト)を実装している。NVIDIAの独立型GPUとしては最も消費電力が低いとされるローエンドモデルだ。本格派の3Dゲームがプレイできるほどの3D描画性能はないが、512Mバイトの専用メモリを搭載しているため、Windows Aeroの描画は軽快だし、GPU負荷が高くないオンラインゲームなどは快適に楽しめる。HD動画再生支援機能のPureVideo HDやGPGPU機能のCUDAもサポートしており、対応ソフトと組み合わせることで、GPUのハードウェアアクセラレート機能が利用できるのもポイントだ。
光学ドライブは左側面にDVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブを内蔵している。CD/DVD書き込みソフトはCyberLinkの「Power2Go」が付属するが、DVD-Video再生ソフトは付属していない。Windows Media PlayerとWindows Media Centerを標準で備えているとはいえ、せっかくGeForce G102Mを搭載するのだから、PureVideo HDに対応した動画再生ソフトが付属していれば、なおよかったと思う。
通信機能はIEEE802.11b/g/n(nはドラフト2.0準拠)の無線LAN、1000BASE-Tの有線LANを標準で装備する。インタフェースについては、HDMIやeSATAなどの先進的な端子は搭載しないが、左右に2基ずつ振り分けたUSB 2.0ポート、右側面奥のアナログRGB出力と有線LAN、手の届きやすい前面のメモリカードスロット(SDメモリーカード/MMC/メモリースティックに対応)など、使い勝手が計算された配置が好印象だ。液晶ディスプレイのフレーム上部には130万画素のWebカメラも内蔵する。
OSはWindows Vista Home Premium(SP1)をプリインストールする。Windows 7優待アップグレードキャンペーンの対象製品となっており、2010年1月31日までに購入すれば、Windows 7 Home Premiumアップグレード版を2800円(手数料込み)で入手可能だ。
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