日本ギガバイトは、11月4日に同社の新しいマザーボードシリーズの製品説明会を行った。ギガバイトのマザーボードプロモーションといえば、「Smart6」「6-Quad」「8Σ」といった数字を使った分かりやすいキーワードだ。2009年から2010年にかけて勝負をかける新しいマザーボードラインアップ「P55Aシリーズ」でギガバイトがアピールするプロモーションキーワードは「333 ONBOARD ACCELERATION」という、これまた、大変分かりやすく、かつ、インパクトの強いキーワードだ。
この、「333」が示すのは、「P55A」マザーボードシリーズに実装される新しい機能で、いずれも「3」という数字がキーとなる。最初の3は「USB 3.0」で、6月に行われたCOMPUTEX TAIPEI 2009でマザーボードのサンプルが展示されていたが、周辺機器でもバッファローからUSB 3.0接続の外付けHDDが発表されるなど、製品化の向けた動きがようやく目立ってきた。ギガバイトでは、今回発表したP55AシリーズのすべてでUSB 3.0をバックパネルに搭載する。なお、チップセットは従来のP55シリーズと同じIntel P55 Expressなので、USB 3.0コントローラは専用のNEC製「μPD720200」をオンボードで実装する。従来のUSB 2.0で480Mビット/秒だった転送速度の理論値が、5Gビット/秒と約10倍になるのが特徴だ。
第2の「3」は、「Serial ATA 3.0」の採用だ。理論値のリンクスピードは従来のSerial ATA 2が3.0Gビット/秒であったのが6.0Gビット/秒と、こちらも倍になった。ギガバイトがSerial ATA 3.0に対応するシーゲイトのHDD「ST32000641AS」(容量2Tバイト)を用いて「HD TACH」ベンチマークテストで測定した結果では、Burst Speedで33%、Average ReadとAverage Writeでは約9.5%の性能向上が確認されている。こちらもコントローラは専用のMarvell製「88SE9128」を実装する(ただし、P55Aシリーズでは、USB 3.0もSerial ATA 3.0もPCI Expressに接続するため、転送速度の上限理論値もその制限をうけることになる)。
第3の「3」は、従来から3倍の容量に拡張されたUSBバスパワー給電能力だ。P55Aシリーズのモデルに搭載されたUSB 2.0では、定格500ミリアンペアだったバスパワー給電能力が1500ミリアンペアに増え、USB 3.0でも定格900ミリアンペアから2700ミリアンペアまで供給可能になる。
ギガバイトが日本市場に投入するP55Aシリーズは「GA-P55A-UD6」「GA-P55A-UD5」「GA-P55A-UD4」「GA-P55A-UD3R」「GA-P55A-UD3」の5モデルで、すべて11月13日から出荷を開始する予定だ。最上位モデルのGA-P55A-UD6からバリュークラスのGA-P55A-UD3まで、どのモデルも“333 ONBOARD ACCELERATION”に対応する。
最上位モデルのGA-P55A-UD6は、CPUのコア駆動電圧供給回路が24フェーズで構成されるほか、CPUのVTT(コア以外の駆動電圧)とメモリ駆動電圧のそれぞれでも2フェーズずつ用意して安定した動作を可能としているのが特徴だ。また、マルチGPUでもAMDのCrossFireXに加えてNVIDIAのSLIにもネイティブで対応する。
バリューモデルのGA-P55A-UD3Rでは、コア駆動用電源回路が12フェーズ構成(ほかにVTTに2フェーズ、メモリ駆動に2フェーズ用意される)、マルチGPU対応がCrossFireXのみとなるものの、そのほかの機能は上位クラスのGA-P55A-UD6と同等で、従来のギガバイト製マザーボードで導入されてきた堅牢性能指標の「Ultra Durable 3」、省電力機能やセキュリティ機能を提供する「Smart 6」、厚い銅版を組み込んで放熱効率を高める「2oz copper PCB design」などを採用する。
5モデルそれぞれの実売価格は明らかにされていないが、ギガバイトが説明会で示したラインアップポジショニングマップにある価格軸には、1万6000円から3万3000円の値が示されていたので、これから、GA-P55A-UD3で1万6000円程度、GA-P55A-UD6で3万3000円程度の実売価格が設定される可能性が高い。
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