Hemlockで“大台”を目指せっ──「Radeon HD 5970」のデュアルGPUパワーを喜ぶイマドキのイタモノ(1/2 ページ)

» 2009年11月18日 14時01分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

ギリギリまで長くなった「Radeon HD 5970」リファレンスカード

デザインテイストはRadeon HD 5800と共通な「Radeon HD 5970」のリファレンスカード

 まずはRadeon HD 5970のスペックを確認しておこう。Radeon HD 5970は、1枚のグラフィックスカードにRadeon HD 5800シリーズのGPUを2基収めている。従来のデュアルGPU搭載グラフィックスカードと同様、基板の上で2基のGPUとPCI Express x16バスをPCI Expressスイッチチップで結んでいる。基本設計はRadeon HD 4800シリーズで登場したデュアルGPUグラフィックスカードの「Radeon HD 4870 X2」と同じだが、モデル名が“Radeon HD 5870 X2”とならなかったのは、モデルナンバー的にインパクトを高めるほかに、スペックが5870の2基分とはならなかったためだろう。

 Radeon HD 5970のスペックを1基のGPUあたりに直してみると、Radeon HD 5870とRadeon 5850の折衷であることに気がつく。以下、Radeon HD 5970をGPU1基あたりのスペックでチェックしてみると、統合型シェーダユニットが1600基、GPUのコアクロックが725MHz、グラフィックスメモリはGDDR5の1Gバイト、グラフィックスメモリクロックは1000MHzとなる。ロジック部がRadeon HD 5870相当、グラフィクスメモリのクロックがRadeon HD 5850と同等となる。

GPU Radeon HD 5970 Radeon HD 5870 Radeon HD 5850 Radeon HD 5770 Radeon HD 5750
プロセスルール 40ナノメートル 40ナノメートル 40ナノメートル 40ナノメートル 40ナノメートル
構成トランジスタ数 43億個(=21億5000万個×2) 21億5000万個 21億5000万個 10億4000万個 10億4000万個
統合型シェーダユニット 3200基(1600基×2) 1600基 1440基 800基 720基
GPUコアクロック 725MHz 850MHz 725MHz 850MHz 700MHz
グラフィックスメモリ GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリ接続バス幅 256ビット×2 256ビット 256ビット 128ビット 128ビット
グラフィックスメモリクロック 1000MHz 1200MHz 1000MHz 1200MHz 1000MHz
ROPs 64基(32基×2) 32基 32基 16基 16基
テクスチャユニット 160基(80基×2) 80基 72基 40基 40基
最大消費電力 294ワット 188ワット 170ワット 108ワット 86ワット
アイドル時消費電力 〜42ワット 27ワット 27ワット 18ワット 18ワット

Catalyst Control Centerから見たRadeon HD 5970のスペック。Primary Adapter、Linked Adapterというように2つのGPUが認識されている

シングルGPUカードからリファレンスカードのデザインはどう変わった?

 Radeon HD 4870から“4870 X2”ではリファレンスカードに搭載されたクーラーユニットの形状に変更があったが、Radeon HD 5870から“5970”でも同じデザインコンセプトを継承しながらサイズなどに変更が加えられた。Radeon HD 5970のカード長は延長され、最長部で31センチに達している。これは、PCI Express規格で定められた“フルレングスでカード長が312ミリ(12.283インチ)”に近い。Radeon HD 5970はルールギリギリのカードサイズに達したことになる。使っているPCケースがフルレングスに対応しているかを導入を考えているユーザーは必ずチェックしておきたい。

上がRadeon HD 5970、下が同 5870(写真=左)。さらにカード長が長くなっている点に注意。Radeon HD 5970のカード長はPCIフルレングスに近い約31センチ強(写真=中央)。裏面はRadeon HD 5870と同様にヒートシンクが装着されている(写真=右)

 ブラケットには2基のDVI(デュアルリンク対応)とmini DisplayPortの3系統出力端子を搭載する。Radeon HD 5870と比較すると、通常のDisplayPortからmini DisplayPortに変更されたことで、2段分あるブラケットでディスプレイ出力端子が1段にまとめられ、狭かった上段の排気スリットが横幅一杯に広がった。実装された2基のGPUが出す熱量に対応するためのレイアウト変更といえるだろう。

 補助電源コネクタは8ピンと6ピンという構成で、Radeon HD 4870 X2と同じだ。Radeon HD 4870 X2の最大消費電力が286ワットであったのに対し、Radeon HD 5970は294ワットと、ピークレベルで増えている。消費電力とともに発熱も相当なものになるのは想像に難しくない。

ブラケット形状が変更され、mini DisplayPortが採用されたことに伴い、インタフェースが1段にまとめられ、上段は全面にスリットが設けられた(写真=左)。リファレンスカード上面の特徴はスリット数の増加とPCI Epxress補助電源コネクタの構成だろう。“ATI Radeon”と刻印された赤い部分の幅が狭まり、開口部もひとまわり大きくなったスリットがカード前面から最後部まで多数設けられている。補助電源コネクタは、従来のデュアルGPU“Radeon HD 4870 X2”と同様に8ピンと6ピンという構成だ(写真=右)

 基板のレイアウトを確認するためにクーラーユニットを取り外してみる。Radeon HD 4870 X2と同じく、Radeon HD 5970も中央にPCI Expressスイッチチップを載せ、その左右にGPUとメモリが1組ずつ搭載されたレイアウトになっている。電源回路は各GPUごとに3フェーズ(CPLA-3-50)確保してるが、基板には4フェーズの回路が確保できるパターンが用意されている。Radeon HD 5970では、オーバークロック性能もアピールされているが、この側面を打ち出す“OC版”製品では、ここにCPLA-3-50ではなく4フェーズ対応のCPLA-4-50が装着されるのかもしれない。

 グラフィックスメモリは両面実装で、GPU1基あたり片面4チップ、両面で8チップとなる。評価したリファレンスカードにはHynixの「H5GQ1H24AFR-T2C」が実装されていた。容量は1チップあたり1Gビットで、データシートで示された最大点送レートは5Gbpsとされる。定格設定のRadeon HD 5970はグラフィックスメモリを4Gbpsで動作させるため、オーバークロックマージンはある程度確保されていると考えていいだろう。

縦方向へわずかにずらして配置しているのがなんとなく気になる2つのGPU(写真=左)。中央のチップがPCI Expressスイッチチップだ。電源は各GPUごとに3フェーズ確保しているが、リファレンスカードではもう1フェーズのパターンも確認できた(写真=右)

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