VAIO秋冬モデル“もう1つの目玉機種”――新生「VAIO L」を攻略する(後編)Windows 7世代の最強テレパソか!?(2/4 ページ)

» 2009年12月17日 11時15分 公開
[都築航一(撮影:矢野渉),ITmedia]

番組を自動録画/おすすめしてくれる「Myカルテ」と「エンドポータル」

 今回のモデルチェンジでは、こうした解析機能を用いた便利な活用だけでなく、先に2つめのウリとして挙げた「ユーザーの傾向把握に基づく推薦」の機能が強化された。それがお好み学習エンジン「Voyager Engine」を利用した「Myカルテ」と「エンドポータル」の進化だ。

自動予約録画の機能「おまかせ・まる録」の設定画面。予約や視聴の履歴から学習されるユーザーの好みなどを基に、「おすすめ番組」を自動録画することが可能だ

 Myカルテは、ユーザーの視聴履歴などから好みと思われるジャンルの傾向をレーダーチャートで示したり、好みと思われる出演者やジャンルをランキング形式でリスト表示するというもの。ランクインしたアーティストの名前をクリックすれば、そこから直接、先に挙げた3つめのウリである自動録画機能「おまかせ・まる録」の予約設定に飛べるようになった。もちろん、従来と同様、ユーザーが任意のキーワードやジャンルを登録して、関連する番組をおまかせ・まる録で自動録画させることもできる。

 Myカルテはテレビ番組だけでなく、VAIO内の音楽ライブラリ情報も参照する点は心憎い。下の写真の例では、Giga Pocket Digitalで「さまぁ〜ず」をキーワード登録しているにもかかわらず、順位は3位だった。1位と2位は明らかにテレビの露出が少ないアーティスト(1位が細野晴臣、2位がムーンライダーズ)で、筆者がVAIO Lに取り込んだ音楽CDアルバム枚数の多さから上位にランクインしたと思われる。こうした複数の種類に渡る解析と、解析に基づくインテリジェントな推薦を可能にしているのがVAIO Lの真骨頂だ。

 エンドポータルは、録画した番組の視聴が終わると現れる画面で、録画したほかの番組やこれから放送される番組の中から、同じジャンルのものをリスト表示するというもの。従来はおすすめ番組を提示するだけだったが、Ver.2.0では今後のおすすめ番組を直接予約録画できるようになった。おすすめの録画済み番組を続けて見ることもできるほか、視聴した番組で登場した店舗や商品の情報が改めて一覧表示されるので、番組を見終わった後で、ゆっくり関連サイトへアクセスすることも可能だ。

ユーザーの好みや予約/視聴履歴から自動生成される「Myカルテ」(写真=左)。頻出するタレントやよく見ているジャンルがランキング形式で表示される。タレントランキングはテレビ番組だけでなく、音楽CDなど手持ちのコンテンツの解析結果も含んだ形で表示されるため、この写真ではテレビ番組を1つも録画・視聴していないアーティストが1位になっている。このアーティストの項目をクリックすれば、「おまかせ・まる録」の設定画面を呼び出し、このタレントに関係する番組をすぐに自動録画するよう設定できる。録画した番組の視聴が終わると表示される「エンドポータル」の画面(写真=右)。同じジャンルのおすすめ番組が表示され、予約録画や別の録画済み番組の再生がスムーズに行なえるほか、番組で紹介された店舗や商品の情報へはここからもアクセスできる

録画した番組はカット編集やBD/DVD/メモステへの書き出しが可能

録画した番組の編集画面。自動的にCM部分やコーナー切り替わり部分にチャプターポイントが設定されるため、CMカットや見たいシーンだけを切り出すことも容易だ

 こうしてVAIO Lで大量に録画した番組は、カット編集した後、光ディスクに書き出すこともできる。CM部分や番組のコーナー切り替わりの部分にはあらかじめチャプターポイントが打たれているため、CMや不要部分のカット編集はやりやすい。

 光ディスクへの書き出しはダビング10をサポートしており、BD-R/REおよびCPRM対応の録画用DVD-RW/RAMに保存できる(DVD書き込み時はSD画質にダウンコンバートする仕様)。光ディスクへ書き出す場合、カット編集で削除した部分は書き込まれないため、限られたディスクの容量を無駄に使わないのはうれしい。

 また、地上デジタル放送の録画時にはワンセグも同時録画される仕組みで、ワンセグのデータはウォークマンの対応機種にダイレクトに転送できるほか、メモリースティックに書き出してプレイステーション・ポータブルやほかのVAIOで再生することも可能だ。

 なお、付属のDLNAサーバ/クライアントソフト「VAIO Media plus」を使えば、Giga Pocket Digitalで録画した番組をホームネットワークに接続されたDTCP-IP対応機器やVAIO Media plus搭載のほかのVAIOで再生することもできる。対応機器と家庭内LAN環境があれば、VAIO Lで録画した番組を、別室のテレビやVAIOノートでも楽しめるというわけだ。

3波対応ダブルチューナーとAVCトランスコーダーで録画しまくり

 そのほかのテレビ関連機能についてもざっと見ておくと、今回から地上デジタル放送だけでなく、今回からBS・110度CSデジタル放送にも対応した(ただし、BS・110度CS放送はカタログビューに非対応)。VAIO Lは3波対応デジタルテレビチューナーを2基搭載しているので、裏番組の視聴や2番組の同時録画も可能だ。

 また、放送波そのものであるMPEG-2 TS(地上デジタルの場合で約17Mbps)ではなく、データ量を圧縮するMPEG-4 AVC/H.264形式(4段階に設定可能)で長時間録画を手軽に行なえる「AVCトランスコーダー」の実装も、エアチェッカーには便利だろう。BS・110度CSデジタル放送ならばHD画質で最長約4倍、SD画質で最長約14倍もの長時間録画が行える。AVCトランスコーダーは1基のみの搭載なので、2番組の同時録画時に長時間録画が行なえるのは1番組のみとなるが、それでもHD画質の録画容量を抑えられるのはありがたい。

 しかも、このAVCトランスコーダーはGiga Pocket Digital専用のハードウェアというわけではなく、ソニー独自の映像ファイル変換/簡易編集/出力ソフト「VAIO Contents Exporter」でも呼び出せる。すなわちテレビ番組だけでなく、単なる動画ファイルの変換にも利用可能なのだ。変換可能な形式は限られているものの、使わない場合に比べて、CPUへの負荷と変換速度が劇的に向上するので、便利なことは間違いない。

VAIO Lに搭載されているAVCトランスコーダーはMPEG-2からMPEG-4 AVC/H.264形式への変換を行なう専用チップ(写真=左)。HDVテープの映像をそのまま取り込んだファイルからAVCHD形式への変換は、CPU使用率が数パーセントのまま、ほぼ実時間で完了した(写真=右)

Sony Style(ソニースタイル)


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