開発拠点と大規模データセンターを擁するヒルズボロには、マザーボードの開発拠点も存在する。Intelにおけるマザーボード開発の歴史は長く、およそ20年近い実績がある。Pentiumリリース以降はチップセットなどのプラットフォームをプロモーションする意味合いが強かったが、Intelの内部ではプラットフォームの方向性を決めるうえで大きな役割を果たしてきたと評価しているそうだ。ヒルズボロのマザーボード開発拠点の廊下には、20年かけて開発してきた数多くのマザーボードが飾られている。


Pentium Pro×2の「Providence」(写真=左)、Pentium向け初代マザーボードの「Batman」(写真=中央)。最近のものでは「Skulltrail」も殿堂入りしている(写真=右)マザーボードの開発チームは、“間もなく登場する”新製品とそこに導入される新技術、そして、今後のマザーボード設計における方針を示すとともに、Core-i7用のフラッグシップ・マザーボードの最新版で間もなく出荷を開始するという「Smackover 2」を紹介してくれた。
Intel X58 Expressチップセットを搭載するSmackover 2の基本機能は、“Smackover”こと「DX58SO」とほぼ同等だ。しかし、メモリスロットの数やヒートパイプのデザインが変更されたほか、USB 3.0とSerial ATA 6.0Gbpsインタフェースを搭載する。有線LANポートもデュアル構成になっている。
Smackover 2のInput/Output Hub(IOH)は「ICH10」なので、USB 3.0の制御は専用のオンボードコントローラを用意して行う。そのポート数は2ポートと少ない。Intelによれば、USB 3.0を積極的にマザーボードデザインに取り込んでいく方針で、2011年にリリースされる製品では、ミドルレンジ以下のラインアップでも幅広く採用するという。


パワーユーザー向けの「Performance」カテゴリでは、USB 3.0、Serial ATA 6Gbps、デュアルLANなどが標準仕様になる(写真=左)。パワーユーザー向けの「Smackover 2」だけに、USB 3.0×2と有線LAN×2を標準で装備する。「Smackover」と比べてヒートパイプの配置に特徴がある(写真=中央)。2基のUSB 3.0はバックパネルに備える(写真=右)マザーボード開発スタッフは、ライブデモとして「Hyperboot Technology」を行った。Hyperboot Technologyでは、通常のBIOSブート画面や初期化プロセスを省いて高速化し、OS起動プロセスへ瞬時に移行する。その後の過程はOS起動の時間に依存するが、トータルで8〜15秒程度のブート時間短縮が可能になるという。ライブデモでは、電源投入から30秒以内で起動が完了している。接続するデバイスの数にも影響をうけるが、起動ディスクをSSDにすることで、大幅な高速化が期待できるだろう。
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