インタフェース類は、アクセスしやすい本体右側面に2基のUSB 2.0とメモリカードスロット(SDHCメモリーカード/MMC/メモリースティックPRO/xDピクチャーカード対応)、ヘッドフォン出力とマイク入力の各端子を備えている。
本体背面の左側は4基のUSB 2.0ポート、外部スピーカー出力、ギガビットLANといった端子が並ぶ。背面の右側はHDMI入力、アナログRGB入力、コンポジットビデオ入力、光デジタル音声出力が用意され、AV機器やゲーム専用機などを接続して外部ディスプレイとして使える点がユニークだ。通信機能については、ギガビットLAN以外にもIEEE802.11a/b/g/n対応の無線LANも搭載している。
全体的にはこのクラスの液晶一体型PCとして充実した機能といえるが、ExpressCardスロットやeSATA、USB 3.0などの高速なインタフェースは用意されていない。増設はUSB 2.0経由でしか行えない点は覚えておきたい。
このように機能や使い勝手の面では、かなりよくまとまっているInspiron One 2310だが、パフォーマンスはどうなのかが気になるところ。そこでいつものように、各種ベンチマークテストを使ってチェックしてみた。
いつものようにWindows 7標準の性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスから見てみよう。最も低いスコアがWindows Aeroパフォーマンスの4.9、ゲーム用グラフィックスは6.3となっている。CPUはCore i3ながら、6.7と意外に健闘している。メモリとHDDもミドルレンジ向けのPCとしては、問題ないスコアだ。
通常時のデスクトップ操作が重かったり、引っかかったりすることはない。Office 2010のようなビジネス用ソフトウェアを快適に使えるのはもちろん、地デジの視聴・録画やHD動画コンテンツを楽しむのにも十分満足できるパフォーマンスだろう。
次は定番のベンチマークテストプログラムを走らせた。計測したのは、PCMark05、PCMark Vantage、3DMark 06、3DMark Vantageで、3Dゲーム系ベンチマークテストはFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3、FINAL FANTASY XIV Official Benchmark、STREET FIGHTER IV BENCHMARK、LOST PLANET体験版&ベンチマークDirectX 10版、THE LAST REMNAN体験版&ベンチマークといったソフトだ。
3Dゲーム系のベンチマークテストではFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3を除き、低解像度の1280×720ドットと高解像度の1920×1080ドット(フルHD)の2種類を計測している。
各種ベンチマークテストのスコア1 | |
---|---|
テスト内容 | スコア |
PCMark05(1280×1024) | |
PCMarks | N/A |
CPU | 6429 |
Memory | 5512 |
Graphics | 4548 |
HDD | 7401 |
PCMark Vantage(1280×1024) | |
PCMark | 5923 |
Memories | 4049 |
TV and Movies | 3732 |
Gaming | 4550 |
Music | 6368 |
Communications | 5187 |
Productivity | 5004 |
HDD | 5074 |
3DMark 06(1280×1024) | |
3DMark | 3747 |
SM 2.0 | 1278 |
SM 3.0 | 1521 |
CPU | 2507 |
3DMark Vantage(1280×1024) | |
3DMark | P1333 |
CPU | 6905 |
Graphics | 1051 |
各種ベンチマークテストのスコア2 | |
---|---|
テスト内容 | スコア |
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3 | |
Low | 7774 |
High | 5380 |
FINAL FANTASY XIV Official Benchmark(ヒューラン:女) | |
Low | 784(29209ms) |
high | 382(30735ms) |
STREET FIGHTER IV BENCHMARK | |
1280×720:Score | 8271 |
1280×720:Average | 39.77FPS |
1920×1080:Score | 6305 |
1920×1080:Average | 23.85FPS |
LOST PLANET体験版&ベンチマークDirectX 10版 | |
1280×720:Snow | 23.2FPS |
1280×720:Cave | 29.8FPS |
1920×1080:Snow | 11.9FPS |
1920×1080:Cave | 16.1PS |
THE LAST REMNAN体験版&ベンチマーク | |
1280×720:Average | 24.18FPS |
1920×1080:Average | 11.97FPS |
結果は上の表に示した通りだ。総合的なパフォーマンスを評価するPCMark05やPCMark Vantageでは、Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアと同様、エントリーからミドルレンジクラスの個人向けPCとして、不満のないレベルにある。
その一方で、CPU内蔵グラフィックス機能を上回る描画性能の外部GPUを備えているとはいえ、やはり本格的な3Dゲームのプレイは厳しそうだ。特にFINAL FANTASY XIVは、1280×720ドットよりさらに解像度を落としても満足にプレイするのは難しい。
そのほかのゲームも画面の解像度を1024×768ドット以下まで落として何とかなるといった感じだ。ただ、FINAL FANTASY XIやSTREET FIGHTER IVといった3Dグラフィックスの負荷がさほど高くないタイトルでは、いい感じでプレイできそうだ。
そもそもゲーム向けのPCではないのだが、欲張ってゲームまで視野に入れた使い方をしたいのであれば、BTOでCPUをCore i5-460M(2.53GHz/最大2.8GHz)に変更することで、タイトルによっては少しのパフォーマンスアップが可能だろう(GPUが変更できないので、3D描画性能の大幅な強化は望めないが)。
以上、Inspiron One 2310の実力を一通りチェックした。単体の23型フルHD液晶ディスプレイにもなり、地デジチューナーを標準搭載するなど、多機能かつスタイリッシュな省スペースの液晶一体型PCに仕上がっている。将来的にはHDMI経由でパフォーマンスの高いPCを接続して外部ディスプレイ代わりに使えるほか、液晶テレビとしても扱えるので、長期間現役で活躍できそうだ。
さらにタッチパネル付き液晶を搭載した場合は、大画面のタブレットPCともいえる直感的な使い勝手が手に入り、独自のタッチ用ツールによる面白みも加わる。テレビ機能も含めて1台で何役もこなせる大画面PCを手ごろな価格で探している人は、ぜひ検討してみてほしい。
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