これが、デルの新しい液晶一体型PCだ――「Inspiron One 2310」検証マルチタッチ+23型フルHD液晶+地デジ+HDMI入力(3/3 ページ)

» 2010年11月18日 12時00分 公開
[小川夏樹(撮影:矢野渉),ITmedia]
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外部ディスプレイとしての利用も可能

 インタフェース類は、アクセスしやすい本体右側面に2基のUSB 2.0とメモリカードスロット(SDHCメモリーカード/MMC/メモリースティックPRO/xDピクチャーカード対応)、ヘッドフォン出力とマイク入力の各端子を備えている。

 本体背面の左側は4基のUSB 2.0ポート、外部スピーカー出力、ギガビットLANといった端子が並ぶ。背面の右側はHDMI入力、アナログRGB入力、コンポジットビデオ入力、光デジタル音声出力が用意され、AV機器やゲーム専用機などを接続して外部ディスプレイとして使える点がユニークだ。通信機能については、ギガビットLAN以外にもIEEE802.11a/b/g/n対応の無線LANも搭載している。

 全体的にはこのクラスの液晶一体型PCとして充実した機能といえるが、ExpressCardスロットやeSATA、USB 3.0などの高速なインタフェースは用意されていない。増設はUSB 2.0経由でしか行えない点は覚えておきたい。

左側面にはスリムタイプのトレイ式光学ドライブを配置。輝度の上げ下げや、映像入力切り替え(PC映像/外部入力からの映像)に使うボタンも用意されている
右側面に音量調整用のボタン、マルチカードスロット、2基のUSB 2.0、ヘッドフォン出力、マイク入力、HDDアクセスランプ、ライト付きの電源ボタンが並んでいる
常時接続することを想定した端子類は背面にまとめられている。HDMI、アナログRGB、コンポジットビデオの映像入力も備えており、外部ディスプレイとしても使える

デバイスマネージャの画面。AVerMedia A320Nという表記のデバイスが地デジチューナーだ(写真=左)。リモコン用の赤外線受光部とワイヤレスキーボード/マウス用のレシーバーはそれぞれ別で、無線LANやギガビットLANも個別のチップが搭載されている(写真=中央)。コア数は2つだが、Hyper-Threading対応なので、CPUの表示は4つになっている(写真=右)

気になるパフォーマンスを各種テストで検証

Windowsエクスペリエンスインデックスのスコア

 このように機能や使い勝手の面では、かなりよくまとまっているInspiron One 2310だが、パフォーマンスはどうなのかが気になるところ。そこでいつものように、各種ベンチマークテストを使ってチェックしてみた。

 いつものようにWindows 7標準の性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスから見てみよう。最も低いスコアがWindows Aeroパフォーマンスの4.9、ゲーム用グラフィックスは6.3となっている。CPUはCore i3ながら、6.7と意外に健闘している。メモリとHDDもミドルレンジ向けのPCとしては、問題ないスコアだ。

 通常時のデスクトップ操作が重かったり、引っかかったりすることはない。Office 2010のようなビジネス用ソフトウェアを快適に使えるのはもちろん、地デジの視聴・録画やHD動画コンテンツを楽しむのにも十分満足できるパフォーマンスだろう。

 次は定番のベンチマークテストプログラムを走らせた。計測したのは、PCMark05、PCMark Vantage、3DMark 06、3DMark Vantageで、3Dゲーム系ベンチマークテストはFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3、FINAL FANTASY XIV Official Benchmark、STREET FIGHTER IV BENCHMARK、LOST PLANET体験版&ベンチマークDirectX 10版、THE LAST REMNAN体験版&ベンチマークといったソフトだ。

 3Dゲーム系のベンチマークテストではFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3を除き、低解像度の1280×720ドットと高解像度の1920×1080ドット(フルHD)の2種類を計測している。

各種ベンチマークテストのスコア1
テスト内容 スコア
PCMark05(1280×1024)
PCMarks N/A
CPU 6429
Memory 5512
Graphics 4548
HDD 7401
PCMark Vantage(1280×1024)
PCMark 5923
Memories 4049
TV and Movies 3732
Gaming 4550
Music 6368
Communications 5187
Productivity 5004
HDD 5074
3DMark 06(1280×1024)
3DMark 3747
SM 2.0 1278
SM 3.0 1521
CPU 2507
3DMark Vantage(1280×1024)
3DMark P1333
CPU 6905
Graphics 1051
各種ベンチマークテストのスコア2
テスト内容 スコア
FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3
Low 7774
High 5380
FINAL FANTASY XIV Official Benchmark(ヒューラン:女)
Low 784(29209ms)
high 382(30735ms)
STREET FIGHTER IV BENCHMARK
1280×720:Score 8271
1280×720:Average 39.77FPS
1920×1080:Score 6305
1920×1080:Average 23.85FPS
LOST PLANET体験版&ベンチマークDirectX 10版
1280×720:Snow 23.2FPS
1280×720:Cave 29.8FPS
1920×1080:Snow 11.9FPS
1920×1080:Cave 16.1PS
THE LAST REMNAN体験版&ベンチマーク
1280×720:Average 24.18FPS
1920×1080:Average 11.97FPS

 結果は上の表に示した通りだ。総合的なパフォーマンスを評価するPCMark05やPCMark Vantageでは、Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアと同様、エントリーからミドルレンジクラスの個人向けPCとして、不満のないレベルにある。

 その一方で、CPU内蔵グラフィックス機能を上回る描画性能の外部GPUを備えているとはいえ、やはり本格的な3Dゲームのプレイは厳しそうだ。特にFINAL FANTASY XIVは、1280×720ドットよりさらに解像度を落としても満足にプレイするのは難しい。

 そのほかのゲームも画面の解像度を1024×768ドット以下まで落として何とかなるといった感じだ。ただ、FINAL FANTASY XIやSTREET FIGHTER IVといった3Dグラフィックスの負荷がさほど高くないタイトルでは、いい感じでプレイできそうだ。

 そもそもゲーム向けのPCではないのだが、欲張ってゲームまで視野に入れた使い方をしたいのであれば、BTOでCPUをCore i5-460M(2.53GHz/最大2.8GHz)に変更することで、タイトルによっては少しのパフォーマンスアップが可能だろう(GPUが変更できないので、3D描画性能の大幅な強化は望めないが)。

テレビや外部ディスプレイとして使えるリーズナブルな多目的PC

 以上、Inspiron One 2310の実力を一通りチェックした。単体の23型フルHD液晶ディスプレイにもなり、地デジチューナーを標準搭載するなど、多機能かつスタイリッシュな省スペースの液晶一体型PCに仕上がっている。将来的にはHDMI経由でパフォーマンスの高いPCを接続して外部ディスプレイ代わりに使えるほか、液晶テレビとしても扱えるので、長期間現役で活躍できそうだ。

 さらにタッチパネル付き液晶を搭載した場合は、大画面のタブレットPCともいえる直感的な使い勝手が手に入り、独自のタッチ用ツールによる面白みも加わる。テレビ機能も含めて1台で何役もこなせる大画面PCを手ごろな価格で探している人は、ぜひ検討してみてほしい。

→「Inspiron One 2310」をデル公式サイトで購入する
映像描写の極限へ。フルHD大画面AVパソコン。9万9800円〜(税込、11月18日現在)


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