新世代の高速通信サービス、2011年以降はどうなる?──Mobile Asia Congress 2010リポート:「LTEとWiMAX 2が次世代の高速通信ネットワークを担う」(1/2 ページ)

» 2010年11月30日 10時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]

2012年には、世界で50以上のLTEネットワークサービスが開始

photo 2010年11月17日〜18日に香港で開催された「Mobile Asia Congress 2010」

 2010年11月17日〜18日に香港で開催された「Mobile Asia Congress 2010」は、毎年2月に開催される世界最大級の通信業界イベント Mobile World Congressのアジア版という位置付けとなる展示会。2日間の開催とありMobile World Congressより規模は小さいものの、日本を含むアジア各国の業界キーパーソンによるキーノートスピーチのほか、通信関連企業によるブース展示がかなり盛況だった。

 今回のMobile Asia Congress 2010では、2つのテーマが大きな話題となった。

 1つは日本でもラインアップ数を増やしているスマートフォン。Android OS搭載端末やiPhoneの躍進もあり、スマートフォンの販売台数は2010年第3四半期には8000万台を突破し、前年同期比200%増、かつ世界的な携帯電話全体の販売数が占める割合も20%に迫る勢いとなっている。この両陣営に押され気味のSymbian OS搭載機器の巻き返しや、Windows Phone 7搭載機器の投入で動向が注目されるMicrosoftなどもあり、スマートフォンは業界内で最も注目されるトピックとなっている。


photophoto スマートフォン戦略や12月に国内で始めるLTEサービス「Xi」をアピールするNTTドコモ山田社長

 もう1つは次世代通信技術だ。会場で行われたキーノートスピーチではLTEやWiMAX 2といった次世代通信の動向が語られたほか、関連企業による各種展示も盛んに行われた。特にLTEは世界各国の多くの通信事業者が3G方式の次世代を担う規格として採用を表明しており、キーノートスピーチに登場した各通信事業者のトップからはサービスインまでの具体的なロードマップも示された。

 LTEサービスについては、NTTドコモが2010年12月24日に国内で商用サービスを開始することを受け、NTTドコモの山田隆持社長がキーノートスピーチでLTEサービス「Xi」をアピール。LTEと従来のFOMA網(HSPA)をシームレスに切り替えながら使えるデュアルサービスとなっている。海外では、2009年9月にTeliaSoneraがスウェーデンとノルウェーの一部都市で商用LTEサービスを展開、アジアでも香港のCSLが2011年早々にもLTE/DC-HSPA+のデュアルサービスを開始予定である。このデュアルサービスは世界初の取り組みで、両方式をシームレスに切り替えながら利用できることから、当初よりかなり広い範囲で高速なネットアクセス環境を提供できる点を強みとする。

photophoto 香港のCSLは2011年早期にLTE/DC-HSPA+のデュアルサービスを開始する。速度、容量の両面でデュアルサービスはメリットがある

 KDDIの小野寺正社長兼会長(取材当時 12月1日より代表取締役会長)も、同社が推進する次世代高速ネットワークサービスのロードマップを示した。2010年にCDMAベースのEVDOマルチキャリア方式の採用で下り最大9.2Mbps/上り最大5.5Mbpsまで高速化した「WIN HIGH SPEED」を開始、そしてLTEは2012年にサービスを始めることを表明した。

 あわせて、ユーザーの「いつでも・どこでも利用できるように」という要求に応えるためには、携帯電話インフラだけではなく無線LANやモバイルWiMAXなど、複数の通信方式を並行して提供していくことが必要であると延べた。主要株主の1社として出資するUQコミュニケーションズが展開するWiMAXについても、より高速な「WiMAX 2」への移行を、KDDIとしても強力にサポートする考えであることを強調した。

 なお、基地局装置・端末製造企業大手のZTE 史立栄(Shi LiRong)CEOによると、64カ国・156の通信事業者がLTEの投資を行っており、2012年末までに55の商用LTEサービスが提供されるだろうとの話だ。あわせて、モバイルWiMAX(IEEE802.16e)もWiMAX 2(IEEE802.16m)へと進化するため、しばらくはLTEとWiMAX 2が次の世代の高速通信ネットワークを担うことになるだろうと語った。さらにこの先、この両者も「IMT-Advanced」──つまり、4GではOFDMベースの新世代技術を採用し、統合していく方向になるだろうと展望を述べた。

photophoto KDDIの小野寺会長は次世代ネットワークのロードマップを提示(写真=左)。KDDI陣営もLTEやWiMAX 2を2012年に開始する予定(写真=右)
photophoto ZTEによる各国の次世代高速通信の導入状況。将来はユーザーから見て「どの通信方式につながっているか」を感じさせない、統合された通信環境が提供されるようにだろうとのこと
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