海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「イギリス」編「1日数百円」で海外定額データ通信(2/2 ページ)

» 2011年02月24日 17時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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プリペイドタイプのHSPAモデムも各社が販売

photo ロンドン市内にあるT-Mobileのキャリアショップ

 Pocket WiFi SのようなSIMロックフリー端末を所持していない場合、あるいは年に1回の海外出張・旅行がある程度であれば、現地でHSPAデータ通信端末とプリペイドSIMカードをセットにしたパッケージを購入するのも手ごろに済ませられる。イギリスでもすべての通信事業者がこのセットパッケージを販売しており、価格もそこそこ安い。前述したCarphone Warehouseの店舗に行けばそれぞれの通信事業者が提供する製品が並んでいる。

 今回は1例として、比較して安価だったT-Mobileのものを購入してみた。価格は29.99英ポンドで、これに10英ポンド分がプリチャージされている。料金は1日使い放題で2英ポンド/日。数日間の滞在ならこれで十分というシーンは多く、7日分/1カ月分を境にした割り引きもあるため、中長期の滞在時にもなかなか便利に使える。

photophoto 購入したT-Mobileセットパッケージ

 パッケージにはHuawei製のHSPA対応USBデータ通信端末とプリペイドSIMカードが入っている。端末のUSBマスストレージデバイスとして認識する領域にデバイスドライバ類が収録されているので、PCにさせば自動的にインストールが始まる。UIは英語だが、このあたりは普段普通にPCを使う人であれば迷うことはないと思う。

 インストール後、接続ツールが自動的に起動する。接続ツールの画面左下にT-Mobileとアンテナマークが表示されていれば接続準備はOKだ。接続してブラウザを起動すると、自動的にT-Mobileの料金選択画面サイトにアクセスされる。ここで利用する料金プランを選択する仕組みだ。

 用意されるプランは「2ポンド/日」「7ポンド/週」「10ポンド/任意の7日間分」「15ポンド/月」の4つ。それぞれ定額(使い放題)で利用できる。

photophoto 接続ツールの“Connect”ボタンで接続される。ブラウザを立ち上げると料金プラン選択のページが開くので、希望するプランを選ぼう

 接続ツールには「利用したデータ量」も表示がされるが、“3”のプリペイドSIMカードと違い、使い放題の定額プランなので気にする必要はない。通信速度は市内いくつかのエリアで試したところ平均で下り2M〜3Mbps程度は出た。これだけ出ればPCでもおおむね不満なくデータ通信を利用できると思われ、ホテルにインターネットサービスがない、あるいは有料ならば、これで十分ではなかろうか。プリチャージ分がなくなっても5英ポンド単位で追加できる。

 ちなみに、T-Mobileのモデムセットに付属するプリペイドSIMカードはほかのSIMロックフリー端末でも活用できる。前述したPocket WiFi Sでももちろん大丈夫だ。APN設定は自動的に設定される。

 はじめに付属するUSBデータ通信端末にSIMカードを入れて前述した方法で料金プランの選択を行ったなら、そのままPocket WiFi Sに差し替えて利用できる。一方、USBデータ通信端末を用いず、そのままPocket WiFi Sで使用する場合や、選んだ定額期間が終了した状態の場合は、差した機器でhttp://www.t-zones.co.uk/apps/ebds/em/statusへアクセスし、料金プランを改めて選択するとよい(この設定ページが開かない場合もあった。そのときは少し面倒だがあきらめて、USBデータ通信端末+PCのブラウザから料金プランを設定しよう)。

 もう1つ、Pocket WiFi Sで利用するならば音声通話も可能な通常タイプのプリペイドSIMカードにするのもお勧めだ。こちらは特に手続きの必要なく、2英ポンド/日でデータ通信も定額利用が可能。PCでのデータ通信利用がメインならUSBデータ通信端末のセットパッケージを、スマートフォンを利用するだけなら通常タイプのプリペイドSIMカードのみ、自分の用途に合わせて選択してほしい。

残高追加は「Top-upカード」を利用する

photo プリペイドSIMカードに付属する「Top-up Card」。これに(例えばEdyのように)チャージしてもらうと、自動的にプリペイドSIMカードの残高を追加できる仕組みだ

 T-MobileのプリペイドSIMカードは、チャージ額の追加も簡単だ。プリペイドSIMカードのパッケージに付属するの磁気カード「Top-up Card」をキャリアショップや市内の“Top-up”表示がある売店の店員に渡し、その場でチャージする額を支払ってTop-up Cardに記録してもらう。Top-up Cardと購入したプリペイドSIMカードの情報がひも付いており、その場で残高が追加される仕組みだ。他通信事業者のプリペイドSIMカードもたいていはこのTop-up Cardが付属しており、チャージ方法は一緒である。

 ちなみにオンラインでクレジットカード支払いによる残高追加にも対応するが、販売店の店員によると海外発行のクレジットカードではエラーが出る場合もあるとのこと。滞在日数がある程度決まっているなら、プリペイドSIMカードやモデムセットを購入する時にあらかじめ必要な額をチャージしておくとこの先楽だ。店舗のスタッフに自分の滞在予定日数を伝えれば、どれだけチャージすればよさそうか目安の金額を教えてくれたりもする。

 というわけで、ロンドン市内ではかなり快適な通信環境が割安に入手できた。2011年3月1日よりKDDIもau携帯電話とスマートフォンを対象にした海外パケット定額「海外ダブル定額」を始めるが、イギリスは海外からの渡航者でも手軽に、かつ割安にモバイルデータ通信環境を入手できる国である。イギリス渡航時には、プリペイドSIMカードの購入にチャレンジしてみてほしい。


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山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯コレクターとしても知られ、2008年は100台以上携帯電話を購入。所有する海外端末数は600台以上(2009年3月時点)。






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