15.5型ワイド液晶ディスプレイは表示解像度が1366×768ドットとなっており、Windows 7の操作環境としては標準的だ。15.5型ワイド画面にこの解像度なので、細かい文字なども初期設定のままでかなり大きめに表示される。バックライト輝度については、内蔵の照度センサーを利用して、周囲の明るさに応じて自動調整することも可能だ。
VAIO独自の液晶ディスプレイグレードはベーシックな「VAIOディスプレイ」だ。表面は光沢仕上げのため、写真や動画などを色鮮やかに表示できる一方、照明や外光は映り込みやすい。表示品質はこのクラスではごく普通といったところで、上下方向の視野角が少し狭い以外に、特に悪い部分は見あたらない。液晶ディスプレイの角度は約135度まで開くので、ヒザの上やローテーブルなど低い場所に置いても問題なく利用できる。
前述の通り、直販モデルでは1920×1080ドット(フルHD)表示の15.5型ワイド液晶(液晶ディスプレイのグレードは「VAIOディスプレイプラス」)を選択できる。同じ画面サイズでグッと高解像度になるため、情報の一覧性は高まるが、人によっては表示が細かいと感じるかもしれない。
このフルHD液晶は1366×768ドット表示の液晶に比べて、発色が少し青っぽいが、コントラスト感が高く、上下方向の視野角が広めだ。低い場所に本体を置いて使う場合は、フルHD液晶のほうが見やすかった。
キーボードはVAIOノートおなじみのアイソレーションキーボードを採用。6段配列でテンキーも搭載しており、ほとんどのキーで約19×19ミリと広いキーピッチを確保している。カーソルキーは約1段下げられて区別されているほか、レギュラーキーとテンキーとの間も通常より少し多く約7ミリの間隔をとるなど、ミスタイプしにくい工夫も見られる。キーストロークは約1.7ミリと深くないが、スイッチの感触は悪くない。あえて強く押せば中央付近が少し沈む程度で、たわみもほとんど気にならない。総じて、なかなか入力しやすいキーボードといえる。
また、キーボードにはバックライトも用意されている。環境光を感知する照度センサーの内蔵により、暗い場所では自動的にLEDバックライトが点灯し、各キーの刻印が光る。明るい場所へ移動すれば、バックライトは自動的にオフになる仕組みだ。


キーボードはキートップのみ露出したアイソレーションタイプで、テンキーも装備する(写真=左)。キーボードにはLEDバックライトが仕込んであり、暗闇では自動的に光る(写真=中央)。キーボードバックライトの設定は「VAIOの設定」から行える(写真=右)キーボードの上部には、サポートソフトの「VAIO Care」を起動する「ASSISTボタン」、Webブラウザを起動する「Webボタン」、Media Galleryを起動する「VAIOボタン」の3つのワンタッチボタンが並ぶ。電源オフの状態でWebボタンを押すと、Windows 7を起動せずにWebブラウザを高速に立ち上げる「Quick Web Access」機能(実測したところ、16秒程度で起動)が利用できる。VAIOボタンには、ほかの動作を割り当てることも可能だ。
なお、キーボードの上部にはステレオスピーカーも内蔵しているが、ドルビーの音響技術「Dolby Home Theater v3」の搭載により、スピーカーやヘッドフォンで包囲感のあるサウンドが楽しめる。
ポインティングデバイスは、キーボードの手前、ホームポジションの真下に2ボタン式のタッチパッドを搭載する。テンキー付きキーボードを採用するため、タッチパッドの位置はかなり左寄りだ。タッチパッドにはシナプティクス製のドライバが導入されており、パッドの右辺/下辺を利用した上下/左右スクロールやつまみズームなどの機能が使用できる。
2つのボタンは独立式だが、デザインを優先したためか、パームレスト部との段差がなく、押しやすいとはいえない。また、タッチパッドのサイズは85×51ミリと広く、指の滑りも悪くないのだが、素材の影響か、感度はいまひとつに感じる。オプションのBluetoothレーザーマウスを同時購入して利用するのもよいだろう。


キーボードのホームポジション直下に2ボタン式のタッチパッドを装備(写真=左)。シナプティクス製のドライバが導入されている(画面=中央/右)。パッドの右辺/下辺を利用したスクール機能や、2本指の開閉でズーム/パンを行う「つまみズーム」機能などが標準で有効となっている以上、新型VAIO Cのデザインやスペック、液晶ディスプレイ、入力環境についてチェックした。近日公開予定のレビュー後編では、パフォーマンスやバッテリー駆動時間などをテストしていく。
2011年PC春モデル特集
性能もキラリと光るか?:新型「VAIO C」徹底検証(後編)――新素材の蛍光ノートをじっくりテストする
2011年PC春モデル:“光るボディ”と豊富なカラバリ、外部GPUやUSB 3.0搭載のスタンダードA4ノートPC──「VAIO C」
2011年PC春モデル:ソニーが「VAIO」春モデル第2弾を発表――3D立体視、新モバイル、集光ボディ、新テレパソ
4倍速フルHD液晶+3D立体視+第2世代Core i7+外部GPU:「VAIO F(3D)」徹底検証(後編)――3DノートPCの本命か?
2DのBlu-rayも地デジも3D変換:「VAIO F(3D)」徹底検証(前編)――さすがに“4倍速フルHDの3D映像”は格が違った
2011年PC春モデル:ソニー初の3Dノートは4倍速駆動で高画質化――「VAIO F」
まさに下克上のパワーとスタミナ:新型「VAIO S」徹底検証(後編)――その性能は“Z”を超えたのか?
第2世代Core i+GPU切り替え+クアッドSSD+フルフラットボディ+長時間駆動:新型「VAIO S」徹底検証(前編)――VAIO初“Sandy Bridge”モバイルの出来栄えは?
2011年PC春モデル:第2世代Core i+クアッドSSD+フルフラットボディの新モバイルノート――「VAIO S」
2011年PC春モデル:すべてが新しくなった24型フルHD液晶一体型PC――「VAIO L」
2011年PC春モデル:ソニーが「VAIO」春モデルを発表――売れ筋モデルに注力、AMD Fusion APU搭載機も
2011年PC春モデル:AMD Fusion APU搭載の11.6型モバイルノート――「VAIO Y(YB)」
2011年PC春モデル:基本性能を強化したコンパクトノートPC──「VAIO S」
2011年PC春モデル:16.4型フルHD液晶を搭載するクリエイティブノート――「VAIO F」
2011年PC春モデル:CPU性能を強化したカラフルノートPC――「VAIO E」
2011年PC春モデル:“1台3役”の21.5型ワイド液晶一体型PC――「VAIO J」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.